fc2ブログ

スパイダーウェブ・オブシディアン

スパイダーウェブ・オブシディアン :

~ 灼熱の大地にテキーラと黒曜石が織り成す関係の網目。




 この石の名前は《スパイダーウェブ・オブシディアン》、火山起源によって作り出された天然ガラスの一種(ガラス質の火成岩)であり、とりたてて珍しくはない黒曜石(オブシディアン)に分類される。日本でも紅十勝石の名前で、赤いオブシディアンが採れるのでお馴染みであろう。



 この石が表情として持つのは、独特の色合いと蜘蛛の巣状に広がった模様である。その色は、深い紺地に灰色を掛けたような落ち着いて、なおかつ上品な色合い。日本古来の色目には、褐返(かちがえし)というのがあるが、そんな色合いを思わせる。



 メキシコ第2の都市=グアダラハラから、北西に30マイルほどにある郊外の都市テキーラは、火山の町でこのような黒曜石と荒涼な大地に生えるリュウゼツラン(アガヴェ)から抽出したお酒=町の名前を冠したテキーラで有名である。



 原石では、黒い塊りで通常のオブシディアンと見かけは変わらないが、研磨することで独特の模様を漆黒の夜空に浮かび上がらせ、不思議なグラフィックアートを幾重にも描き出す、この見ていて飽きることの無い自然の造形美は、イマジネーションを豊かに掻き立てる。
 この筋模様の色合いは、まさにリュウゼツランの粉を吹いたような葉の色合いにソックリで、なんとも植物の姿にも重なるところがあって、なおさら不思議である。



 テキーラの名前の語源には諸説あるようだが、リュウゼツランの収穫に基づく光景が挙げられている。その意味は、カットすることだという。黒曜石の切っ先の鋭さ、リュウゼツランの葉のシャープさ、それをカットすることによって得られる石の塊り、植物の塊り、尖った石器、煽るたびに喉元を鋭角に切り裂くようなテキーラ酒、それらがひとつに混ぜ合わされ、混沌とした意識のなかで、彩りよく醗酵していく。



 この予め、筋書きされた模様の石は、見つめるほどに、現実のいま居る時間と意識を朦朧とさせ、違う次元の旅に誘いもする。それは、私にとって、あたかもスペインで生まれ、メキシコを終焉の地に選んだ、女流シュールレアリストの画家=レメディオス・バロの孤高なる芸術的世界への飛翔、その創造性と放浪性へと繋がる回廊=回路を開く。





スパイダーウェブと名付けられた石には、ターコイズ(左)やネバダのバリサイト(右)がある。このメキシコ産のオブシディアンは、ちょうど昨年の秋ごろから、お目見えしたニューカマー。ようやっとスフィアでの登場と相成りました。通常は、その引きこまれるような線描き模様でカボションなど宝飾品に加工されて市場に出回っているようです。



(追記) : テキーラのお酒に必要なリュウゼツランは、夜に咲き、その花蜜を求めて飛来し、集ってきたオオコウモリにより、授粉(受粉)するという。コウモリは、幸運のシンボル。この石の描き出す文様と色合いを眺めていると、コウモリの翼の葉脈のようでもある。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

momoneko0725

Author:momoneko0725
とうきょうの美味しい食べ物や東日本にある温泉地の紹介です。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
桃猫温泉三昧
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR