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砂~文明と自然 マイケル・ウェランド著(築地書館)

砂~文明と自然 マイケル・ウェランド著(築地書館刊)



 ボルヘスが”砂の本”で語るところによれば、、、”本も砂も、はじまりと終わりがない”のだそうだ。砂漠は人を惹きつけるものの、人が属する世界ではなく、ここで人は、はかない存在でしかない。



 面白い本と出会った。地球上どこにでもある、"砂"について、さまざまな観点から、たっぷりと書かれた本である。特別興味を掻き立てられたのは、後書きに、リビアングラスの回想があったからだ。ツタンカーメンの首飾り中央にスカラベを掘った宝飾品がある、その材料こそが、砂漠にある天然ガラス=リビアングラス。著者は、、砂漠を旅する過程で出逢っていた。



 『 砂は、自らが勝手に決めた規律に従って動く性質があるので、どんなところへも入りこみ、どこにでも存在する。何千年にもわたって砂は、大きすぎる数や、過ぎ去った時間や、永遠を表すものとして、私たちの意識に居すわり続けてきた。ウィリアム・ブレイクが、一粒の砂に世界を見る、、と言ったように、一つの砂には新しい物語も遠い昔の物語もある。私たちは、さまざまに姿を変えた砂に囲まれて暮らしているのだ。 』



 良質のワインは、良質の砂質土壌に適合して仕上り、ゴルフ場のバンカーはボールの衝撃を吸収し、浄水場の濾過材として砂が活躍し、ガラスは砂から生れ、アルキメデスは砂の上に描きながら法則を考えた。砂漠の熱い砂はミイラを乾燥・保存し、大スフィンクスは砂に半ば埋もれ砂を除ける発掘に11年を費やした。バーコードは浜辺に書かれた落書きから生れた産物だった。地球上の砂は、その7割程がクリスタル(石英質)を成分としている。砂絵は、書かれ、そして消されていく。そこにあるのは永遠性と相反する刹那、そして再生への起因。

  『 砂は、無限の可能性を秘めた表現手段であり、瞑想にふけるための道具として、地理的、文化的、時間的な違いを超えて利用されてきた。過去の物語を語るにも、未来を占うにも、そして目まぐるしく変化する現在を表現するにも使われてきた。やがて消え去る模様は、芸術そのものといえるだろう。 』
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