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石を探し求める旅

 『石を探し求める旅』という、何やら(魅惑的でもあり)不思議なタイトルを持った本に出会いました。



 この本の著者は、スコット・ペックという精神科医であり、過去に『愛と心理療法』などのベストセラーを書き起こした作家でもあるのです。



 著者とその妻が、先史時代に建てられた巨石遺物を巡礼するという旅に取り付かれ、ウェールズ、湖水地方、スコットランドを旅しながら、そこで見聞きしたこと、数々の巨石遺構との出会いを通じた、その優れた紀行文であるとともに、彼らの内面の心理的変遷と深層的な深耕を語る冗長な日記にもなっている。



 『石は沈黙しているのに、学者たちが石に代わって、おしゃべりし過ぎているのです。』というミリオン神父の言葉を引きながら、巨石遺構の意味について、彼の結論は、意外にも、巨石崇拝という、日本人にはなじみの深い=アニミズム的な見解にゆるやかに落ち着かせようとしています。



 『石について書く人たちは、自分なりの理由や実用的な目的ばかりに気を取られ、石の持つ美しさに気づかなかったのです。』と芸術的な動機での巨石時代を解釈することも含めて、輻輳的にさまざまな想いが重なったさまを、いわば巨大な石組の重なりにみているような、そんな内容でした。



 400ページ=2段組という、ちょっと長ったらしい文章に辟易するのですが、石を探す旅とは、著者にとって、おそらく万人にとっても、自分探しの旅であり、精神的な彷徨の軌跡であると、そんなありきたりではあるが、もっともな帰結にだれも異存はないでしょう。(依存とも言え無くはないのだが。)



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