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京成臼井駅前 うなぎ 川よし

京成臼井駅前 うなぎ 川よし

地焼きの鰻が食べれるお店


 鰻を食べるんだったら、もう地焼きでないとダメだ、そう思い始めて久しい。同じような想いに共感してくれるお店を探しては食べに行くことにしている。好きな蒲焼きだもの、どうせ食べるなら、美味しいもの、自分が贔屓にするお店を探したいものだ。



 川よしさんは、京成本線 臼井の駅前、ホームから、うなぎ 蒲焼きと書かれた青いのぼりが、おいでおいでと誘うように、寒風のなか、はためいてるのが見える、臼井駅北口の出口、直近な立地にある、けっこう見落とし勝ちで、ちょっとした穴場の優良店。



 商売的なスタンスは、店の外観から窺い知れるように、冴えない、地味で田舎臭いものですが、先代が川魚の問屋業を始めてから、はや78年の地道な歴史、鰻屋として店を構えたのが、京成の臼井駅ができた頃、今から25年前という古株にあたります。



* 佐倉市稲荷台1-10-2 木曜

12:00頃~13:30 17:00~22:00頃

 東京でこそ名は知れてませんが、地元では、けっこう有名、昼間は客も疎らですが、夜ともなれば、予約が入り、白焼きで一献傾ける老輩が、大挙訪れます。鰻好きは、噂に聞こえて、もちろんのこと、遠方から、馴染みのお客さんほど車を飛ばしてやってくるお店なのです。お店は、ご主人と女将さん、娘さんの3人で回している、こじんまりとして家庭的なお店です。鰻好きなひとたちだけに教えたい隠れ家的存在のお店。



 佐倉には、前に紹介した、歴史ある趣きのうなぎ割烹 玉家さんが他に有名ですが、成田まで向かう手間を考えるのなら、ここ臼井は、駅前のロケーションにあり、かなり穴場だと思います。カウンターとテーブル席、奥には、座敷も構えています。



 店の敷地内に、2本井戸が掘られ、調理場の奥に、立て場があって、井戸水で、鰻を活かしていました。鰻は、全て、愛知県一色産で、お客さんが注文されてから、鰻を捌いて、焼きます。一切、蒸しはしていません。席に着いてから、鰻重が運ばれてくるまで、約20分~30分は待ちます。



 ご主人とも話したのですが、やっぱり鰻本来の風味や持ち味を活かすには、蒸しは必要ないとのことで、意見が一致しました。よって、川よしさんは、千葉でも、数少ない、関西風の地焼きオンリーなお店なのです。 川よし重(鰻重&白焼き2ウエイ) : 3500円

☆☆☆☆ (2段)



 この店に、並だとか上といった野暮な区別はされていません。1ランクの鰻があるのみ。だからと言って、ふつうでもなく、それなりに上物と目される鰻が、鰻重か、白焼きで食べれます。鰻重なら、小鉢、お新香、肝吸いが付いて、2100円。白焼きなら、単品で、1400円で食べることができるという、庶民派納得のお値段。なんとも魅了されるスタンス、さすが鰻王国=千葉県への入口ですね。



 そして、白焼きも蒲焼きも食べたいと所望すれば、このように合体した、2段重ねの、川よし重を作ってくれます。蓋を開けますると、上段に、白焼き、下段には、鰻重が香ばしい匂いを放って収まってございます。なんと至福な瞬間でしょう!



* 焼きは、残念ながら、炭焼きではなく、プロパンガス。千葉県で、炭を使っている店は、少ないと思いますので、これがスタンダードなのかもしれません。炭の焦げた味わいが付かなくて、却ってあっさり仕上がるんではないでないでしょうか。焼き場は、白焼き用と蒲焼き用に分けて、それぞれ1台づつあるという念の入れよう。

 鰻重 : (単品なら=2100円)

☆☆☆☆



 やっぱり蒸しを行わずに、捌いて、すぐさま焼くだけの地焼きは、鰻好きにとっては、ほんとうに、たまらない逸品です。鰻らしさが、まるごと出るというのか、その分、素朴で簡素な味わいでしょうが、やっぱり珠玉です。とくに、初冬のこの時季、一年でも、脂が乗り切って最高の味わいとなります。



 都内では、ほとんどの有名店が、ある程度、見込み生産で下ごしらえされ、たしかに客を待たせない云々はあるのですが、そのために蒲焼きの生命線である鮮度が著しく低下してしまい、ボソボソになるか、あるいは、それを取り繕うために長く蒸したりもするのです。作り置きでは、捌きたてとは程遠いような鮮度で出されて辟易する原因になるわけです。



 やはり、こと鰻に於いても鮮魚ですから、生簀から揚げて、捌いて、焼く作業工程のすぐ後に食べれるようなお店でなければ、その旨さを有り難く頂戴することは叶わないと思うのです。それでこそ、蒲焼きの妙味なのですから。都心のランチタイムで、すぐに運ばれてくるような、陳腐な、うな丼は、ありえない反則技といえましょう。



 調理上、地焼きと蒸しの大きな違いは、鰻の脂ののり方でしょう。焼くだけですと、身のほうは、ほわほわ~と軟らかくなっていて、皮は逆に、未だ硬め、それに焼きの効果で、多少、パリパリに近くなってきますので、そのコントラストが鰻を食べているという感じになりますし、皮と身の間にこそ、旨味と脂分が凝縮されてるんですが、それが損なわれずに、ジューシーにダイレクトに味わえて、感激すること請け合いです。



 蒸すと、脂が落ちてしまい、それを無理に最後、表面までパリッとしあげようとすると、全体から水分も飛んでしまって、パサパサ、もしくは、ぼそぼそとした食感のわびしいものになってしまいます。品を保って、上手に仕上げるには、長い時間の蒸しの作業は好いかもしれませんが、そうすることで、単に歯の無い老人食に成り変わることが、一番、危惧されることなのです。鰻を捌くことや、蒸す過程で、鰻のよさが、すべからく引き出せるわけではなく、あくまで、品質の良い鰻を、いかに鮮度を保って、そのまま焼き上げるのかが、まず大事、そんな基本事項こそが、その美味しい鰻にありつける善い勝負だと思います。



 さて、こちらのタレは、かなり甘めで、それ自体は名代のものとは違って期待できません、まぁ、千葉~埼玉方面では、ごく普通なもの。と書くより、こちらの蒲焼きは、どちらかといえばタレに頼らない、つまり、鰻そのままの質感を追究しているストレートな直球勝負のタイプだと思うんで、案外とあっさりめではあります。



 こちらの鰻重は、ご飯自体も、さらに美味しくて、聞けば、自家製、実家のお米を使用してるとのことでした。米は、鰻重のいのち、生命線でありますから、そのあたりを理解してらっしゃる、ご主人は偉いです。ご飯の量は、けっこう大目です。



 肝吸い :  ☆☆ 肝焼きは基本的には、ありません。そのかわり、捌くたびに出る肝で肝吸いを造ります。 肝吸いは、ごくふつうの家庭的で凡庸で素朴なもの。さっと、湯引きした肝は美味しいです。



 お新香 : ☆ おかかの掛かった白菜とべったら漬けのような沢庵、自家製のもの。家庭的。

 白焼き : (単品なら=1400円)

☆☆☆



 個人的には、やっぱり鰻の真髄は、蒲焼きにあるという主義なので、どちらかと言えば、やっぱり軍配は、蒲焼きのほうがおススメできます。とくに、こちらの白焼きは、酒に浸すとか、そういう細工を、まったくせずに、そのまんまを地焼きしていますので、もちろん鰻そのものに自信がなければできない産物。食感は、まるで、ふっくら焼きあがった穴子と見まがうような味わいになるので、濃厚な鰻をイメージしていると、すこし、物足りないと逆に思ってしまうほど、ナチュラルで、あっさり生一本な一品なのです。



 身は、プリプリして、ほわほわ~っと皮はパリッと、ふっくらした鰻の旨さの醍醐味が思う存分味わえます。個人的には、塩も合うとにらんだのですが、こちらの生わさびでなく、野暮な練りわざび醤油は、ちょっと味を損ねてしまう可能性もあって、あまり好きではありません。だったら、素のまま、食べたほうが美味しいです。でも、レベルは、かなり高くて、他では食べれない味わいです。



* 全体的な感想としては、地焼きのみで、鰻そのままを無理せずに活かした調理法なので、あっさりして、自然な感じです。捌きも丁寧で、骨の当たりは気になりませんでした。川魚料理の王道、地焼きの妙味は、洗練度合いからすると、田舎臭いとも映るでしょうが、けっして上品とか、洗練された次元とは皆無の素朴な良さに溢れています。



 地焼きの妙として、最初は、多少、脂っこいと思ってしまいますが、川魚として鰻本体、そのものから生じた、天然起因の旨味エキスですから、それらを含めて、鰻のほんとうの醍醐味が、まるのまま、味わえるのでは無いでしょうか。ですから、脂っこさが嫌いな向きには、あるいは鰻を食べつけていないひとには向きませんが、ほんとうに鰻のよさが分かる人が通う店かと思います。



 もちろん、鰻だけでなく、見たところ、日本酒も、かなり、いろいろと揃ってますし、廉価で呑めます。なにより、オヤジさんの鰻に対する誠実な想いが伝わってくるお店です。あまり能書きを垂れる下町の某店はさておいて、此処にたどり着けば、まっとうなものが食べれるっていうことが分かります。名代の店とか、伝統、秘伝のタレとか、そういう文言なしに、ゆったりと、あっさり、旨い鰻をいただけて、美味しい日本酒も呑める店です。

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