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別冊 サライ 大特集 うどん

別冊 サライ 大特集 うどん



 90年代、サライ編集部は、《別冊 サライ》と称して、 各料理ごとに特化した読みやすいムック誌を出していた。このほかにも、同系列、別形態で、「 うどん好き百科 」、「 お国自慢 鰻料理百科 」なども、お目見えしている。



 内容は、雑誌で取材されたものを中心に、周辺を洗い出す感覚で本文が組まれており、決して専門書としての体を為していないものの、読み物として、食と文化、食通の関心、その間口を広げたものであった。



 いわゆる名店ガイドを伴った薀蓄本であるが、発行年代が1999年で、その情報源としては、いささか古びたものになってなってしまっている。



 しかしながら、いまになって振り返ると、執筆者の中には、杉浦日向子(江戸時代考証家)、宇佐美辰一(大阪・松葉家2代目主人)、加藤有次(男のうどん学)など各界の方々で、うどんとも縁が深く、既に鬼籍に入った方もいて、かつての食通たちのインタービューには、うどんを噛み締めて、なかなか感慨深いものが綴られている。



 伊香保の水沢うどん、秋田の稲庭うどん、大阪うどん、京うどん、讃岐うどん、加須うどん、武蔵野うどん、上州うどん、吉田うどん、名古屋のうどん、それにしても全国津々浦々まで、いろんな味わいのうどんがあるものである。 《自己主張しないうどん 》 : 京都生まれで、京都の甘いきつねうどんを愛する作家=阿部牧郎さんの一節から 



 「 それにしても うどんというのは妙な食品である。キツネにしろキザミにしろ天ぷらにしろ、絶妙絶佳、気の遠くなるほど美味い、というものではない。それでいて素のまま食べても、まずくてかなわん、とはならない。むしろ具をのぞいた素うどんのほうに、うどんそれ自体の味わいがある。うどんは素が基本主題であって、ほかのものはヴァリエーションにすぎないのだ。 だが、うどんは自己主張をしない。汁と具とがたがいに引き立てあって独特な食世界をつくりあげる。 」



 関西人が、うどんを殊更に持ち上げ、その対比として江戸の蕎麦を敵(かたき)にして貶すような構図ができあがってしまった。どうも、これは悪い癖・悪い風潮であると思う。結局は、阿部さんとて、《うどんへの愛着感》は、行き着くところ京都であり、生まれ育った関西圏での味わいに食味は落ち着くこととなるのだろう。



 大阪のうどんも美味しいし、京都のうどんも、なお美味しい、結局、それを蕎麦と単純に対比するのでなく、その発生要因など探っていくと自ずと、その違いにも気付くというものでありましょう。いろいろな見方がありますが、大阪は商人の町、腹ごなしに直接的にうどんは良かったのだと思うし、江戸っ子気質からすれば、ささッとおやつ代わりに職人たちが、めいめいに蕎麦を手繰るのが、粋がる姿であったのかも知れません。
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