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池之端 鰻割烹 柏家@根津

池之端 鰻割烹 柏家(本店)@根津

創業慶応元年を名乗る老舗


 上野公園の西側に位置し、不忍通りと東大の敷地に挟まれた地域は、もとは”池之端七軒町”と呼ばれ、いまでも、寺社が集まった地域として独特な雰囲気を保つ静かな住宅街である。地下鉄・根津駅から、徒歩数分、七倉稲荷神社前に、慶応元年(1865年)創業という老舗、(括りだと、もう明治もすぐだが)、現在は、4代目のオヤジさんが元気な庶民派の飾らない町の鰻屋さん。同じく池之端に所在して、町内会のよしみからだろうか、会合でも利用されると見えて、店内には、(社)日本盆栽協会のカレンダーやら冊子が置かれている。



 正直、あまり、ひとに教えたくない、普段使いで、バツグンに美味しい蒲焼が食べれるお店。上野界隈から山手線内側、このあたりでは、間違いなく、一番美味しいのではないでしょうか?もちろん、個人的には、”亀屋 一睡亭””さんや、伊豆栄 梅川亭”さんも、それぞれ雰囲気があり、十分に好きです。(* なお、西荻窪北口には、柏家支店があります。)



* 台東区池之端2-3-11 月曜休

11:30~15:00

16:00~20:00 鰻重(特上) : 2600円

☆☆☆☆ (まことに美味しい!)



 真夏は、鰻が時季外れということもあって、食を控えてきたものの、やはり我慢できず来訪。もちろん暑気払いには、蒲焼が最適な気もしてきた(笑)。それにしても、久しぶりに、美味しい鰻に有り付けた感がする。とても、美味しいし、上野界隈、どんな鰻屋より、庶民派としてCPは最上のレベル。驕ることのない、ふつうで真面目な好い店である。



 鰻は、国産仕様、そのつど産地が異なるらしい。この日は、味からして、たぶん、三河産なのだろう。小振りではあるが、痩せてない、ぷっくりした1匹半が重箱いっぱいに収まっており、御飯が少なめだったので、食べ進めるうち、鰻身が余ってしまった。こういう場合が、なんとなく心情的には嬉しい。



 炭ではなく、ガス焼きだが、しっかりと焼き目が感じられ、表面パリッと、なかは、ふっくらという理想的な蒲焼で、ほんとうに旨い!!蒸しも適度に入って、注文から、20分弱ぐらいで運ばれてきました。御飯自体も、質的には叶っておりますが、少々、老人食っぽく、軟い仕上がり、しかも、やや辛めのタレが、つゆだく、べっちょりで下町風。

  肝吸 : ☆☆☆



 吸い地は、かつおの風味を効かせた正統派、やや濃い味。吸い口には、シンプルに三つ葉、椀種には珍しく、”くずきり”が入っているのが特徴でしょうか。ランチタイムだからなのか、サラダが付いてきました。まぁ、なくても好いレベルですが、総じて下町値段なのが、なにより、この店の善いところ。



 お新香 : ☆ 塩っぱいだけ、いかにも蕎麦屋でカツ丼で摘むような新香って感じ。あまり期待しないでおこう。



 肝焼き : 2本で450円 ☆☆☆

焦げっぽい風味もきっちり効かせて、程良く仕上げられ、ふつうに美味しい。タレの具合も、ちょうどいい。

 

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(閉店)ハタケ(HATAKE)青山@南青山・表参道

ハタケ(HATAKE)青山@南青山・表参道

2010年6月オープンの新店

* 2018年で、青山は閉店しています。
テラス席に畑併設のオサレなイタリアンレストラン


 南青山にオープンしたばっかりの”イタリアン HATAKE AOYAMA”、総料理長は、専門がフレンチだと言う若手シェフ=神保佳永(Blog)さん。千葉市にある、農薬化学肥料不使用の ”珠樹自然農園”と提携しており、他の都内近郊の契約農家から届けられた新鮮な野菜を使ったカジュアルなイタリアン料理を各種提供している。看板料理は、バーニャカウダ。



 場所は、青山通りからみて、スパイラルホールの裏手にあたる住宅街のなか。骨董通り側からみると、小原流会館の裏手に当たる。新設されたビルの地階に相当し、席数も多く、デザイン的にも、かなり出色な施設、素晴らしい雰囲気。それでも、カジュアルなスタイルのレストランなので、肩肘張らず、お昼時は、ひとりでも、ふたりでも、複数でも楽しめる。平日なら、1時過ぎが比較的空いているほか、土曜日も狙い目。場所柄、近隣勤めのOL多く、年齢層は、低め。



* 港区南青山5-7-2 B1 日休

11:30~14:30(ランチ=予約不可)

18:00~22:30(ディナー) HATAKEランチ(50食限定メニュー) : 1260円

☆☆☆☆



 店の雰囲気を含め、この界隈の新店では、かなり、おススメなランチタイム。こちらのコースは、旬の野菜を採り入れたお得なメニュー。季節の野菜が盛りだくさんで入った、ミネストローネスープ、米粉のフォカッチャ(2ケ)、メインプレートは、サラダ形式に、旬の野菜の前菜の盛り合わせ。



 野菜の素揚げ、ポテトサラダ、玉子焼き、タコのマリネ、チャーシューなど。それに、別皿で、冷製パスタ。これは、極細なパスタを生トマトと生バジルで和えてある。絶品。(時には、リゾットの場合もあり。)ドリンクも値段内、食後に小さなドルチェとしてパンナコッタのデザートが付く。



 オリジナルカレーライスまたは、今日のパスタセットがともに、1050円で、こちらがランチでは人気な模様。 店の雰囲気&サービス=◎ すごく好い雰囲気。内装もオシャレ。

味的なニュアンス=○ 随所にキメどころが感じられる、出過ぎず、はしょらずイイ感じ。 場所が、南青山のドストライク、ど真ん中なので、使える。

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みどりの香り 畑中顯和

みどりの香り 畑中顯和(中公新書)

みどりの香りは、こころの薬である。

この香りに接すると人びとは、いつも安らぎを感じる。




 「 二次代謝物質も高等植物には大量に残されていて、例えばリグニンは建築に、アルカロイドは医薬・嗜好品に、精油は香辛料・医薬に、色素は染料に、タンニンは皮なめしに、またカフェインやタンニンは緑茶やコーヒーの風味に欠かせない、、といったように有史以来、人類の生理活性物質として利用されてきた。」



 雨上がり後など、カイズカイブキの垣根を通り抜けると、爽やかな匂いがしてくることがある。われわれが知らぬ間に、植物からフィトンチッドの恩恵を受けている事が多い。それは、かれらが作りだしている芳香物質であり、ときに、香料となり、また薬となって初めて、その有り難さを知る。



 しかし、考えてみると、葉っぱを擦ったりする際の青臭さの成分ってなんだろう?そう思った時、答えは、畑中さんという研究者の本に突き当った。畑中さんは、恩師である武居三吉と共に、みどりの香りを学問的に研究してきた、日本でも数少ない学者のひとりである。



 みどりの香りには、青葉アルコールや青葉アルデヒドといわれる物質が絡んでいる。地場産業の振興にも一役買うことから、宇治茶を背景として、これらの研究は、京都帝大農学部において研究が重ねられた。つまり、日本での、みどりの香りのプロジェクトは、お茶の香りを通して始まったのである。



 昼と夜の気温の差が大きい、つまり茶葉の生育環境条件下において日較差が大きいほど、酵素活性を誘発する起因が高まることが述べられており、グリーンノ―トの記述では、炭素数が増加することで、突然、柑橘系の花香となる事例も引かれており、茶葉の香りのひみつが少しは、化学的な観点から述べられていて、非常に興味深い入門書となっています。





 「 このみどりの香りは実は植物の言葉であり、手であり足でもある。たとえば外敵を撃退するのに、まず外交的に用い、もしこの平和的交渉がだめな場合、濃度を高くしていって遂に必殺の武器に変貌させる。一方、葉っぱに苦い味の物質を発現させて、害虫の摂食阻害物質として兵糧攻めにする。 」

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材木座海岸と光明寺 記主庭園の蓮

材木座海岸と光明寺 記主庭園の蓮

 広い鎌倉エリアで、どこが一番好きか?と言われたら、もしかすると、”材木座にある光明寺”って答えるかもしれません。はじめて訪れたのは、かなり昔のこと、材木座海岸でひとしきり海水浴に興じた後だったように思う。



 豪華な山門を通して伺われた、その境内のダイナミックな景観に感動したばかりでなく、俯瞰して伽藍を眺めたいと思い付き、裏手にある坂道を、ひたすら登って、天照山と呼ばれる山頂部からの眺望にもチャレンジした想い出が有る。残念ながら、今では目の前に木が茂って、思うような眺望は果たせないのだが、かつては、遥かに富士山まで見越せるような素敵な景色が拡がっていたことだろう。



 そういうわけで、山門からしても、かなり大きな境内を有するお寺。禅寺ではなく、浄土宗だからなのか、来るものをすべて拒まず、非常に大らかで、本堂への参詣も自由。動物供養もやっているが、ネコちゃんも自由に遊ばせて、追い払わない風習なのか、たくさんのネコたちが自由に寛ぐ景観も、なんだか、のんびりムードがひたすら漂う光明寺の特徴である。あちらこちらで、みかけるネコちゃんを構ってあげるのも、ネコ好きなら、是非、訪れてほしいお寺のひとつだ。



 境内の裏山を越えると、向こう側は逗子マリーナが控えている、ある意味、ここが結界、向こうは別世界になっている。そして、右手は、もう材木座海岸そのものなのだ。こんなに海岸と近い場所に、こんなにも大きな寺院伽藍があるというのさえ、珍しく思える。それもそのはず、”材木座”の名前の由来とは、和賀江島を築港として栄えた中世時代、寺社を建造するための木材の集積場であったことに因む。そう考えると、海岸からいちばん近い場所に、大きな伽藍建造は、なんとなく納得がいく。

 アクセス : 鎌倉駅東口バス停から、逗子駅方面へのバスに乗り、光明寺前にて下車、バス停目の前からすぐ大きな敷地が始まっている。境内は、本当に広く、開放的。海からの風が心地良い。



 江戸時代には、徳川家康公が関東十八壇林(学問所)の筆頭に置いて、仏教研鑚、念仏信仰の根本道場としての役割、学問と修業の道場として中核の意味合いを為して今日に至る。言ってみれば、僧侶の学問を修めさせる寺院と言う性格が強い。秋口、10月には、十夜法要が行われる。



 十日十夜の間、念仏をお唱えすれば、極楽浄土で千年修行するよりご利益が得られるというもの。全国に広まることになる、このお十夜法要、こちらの光明寺が発祥だと言われている。かつては旧暦10月5日夜から10日目の朝まで行われていたそうだ。 大殿(本堂)は、かなりの大広間であるが、内部の装飾は絢爛豪華そのもの。海側の右手外には、三尊五祖の石庭があります。刈り込みも見事で、5月には色鮮やかに皐月つつじが咲き誇って綺麗なのです。こちらの石庭が、石組と砂だけで、静謐・無機的な姿で、浄土宗の教えを現わしているものとするなら、本堂山側に位置している、池を有した浄土庭園は、まさに蓮が咲き乱れる浄土の景色そのまま、活き活きとした自然の営みの中に、その教えを現わして対比されているように見受けられます。



 とくに回廊部分は、海風が、吹き抜ける素敵な空間。池には、のんびりと亀たちが日向ぼっこし、鯉たちが餌の取り合いを繰り広げ、八重の蓮が、太陽を受けて輝きます。回廊のちょうど対角線上には、最近、建造された大聖閣を臨むことができます。こちら、昼過ぎには、太陽を受けて、金色色に輝き、一瞬、金閣寺を思わせ、浄土をイメージさせてくれます。





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はまなす

はまなす



 ”ハマナス”という言葉の響きでは知っていても、ほんとうは、どんな花なのか、どんな植物なのか見たことが少ない気がする。真夏に、濃いピンク色の花を咲かせる。つぼみは、バラ茶になる。いわゆる、玫瑰花(メイクイファ)である。葉っぱは、肉厚でふかふかしているが、バラ科の植物らしく、幹は、棘で武装されている。



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成城学園 桂花(けいふぁ)で酸辣湯麺(スーラータンメン)

桂花(けいふぁ)@成城学園

創業25年、薬膳中華レストラン

夏真っ盛りに、酸辣湯麺(スーラータンメン)!!




 お盆だろうが、田舎が東京の人間には、カンケ―なく、暑いさなかに食べるのは、決まって、成城駅前、桂花(けいふぁ)の酸辣湯麺(スーラータンメン)だと思います。



 成城学園駅北口前にある、古びた駅ビル、成城フルールビル2階にあるのが、古参の中華料理、桂花(けいふぁ)さん。とてもアットホームな雰囲気でオーナーが迎えてくれる、気取らない中華レストラン。昼食べるには、平均単価的に、少々お高めですが、いつ行っても休みが無いので、それなりに使い勝手が良い。



* 世田谷区成城6-4-13 2F 無休

11:30~15:00(ランチ)

17:00~21:30

 酸辣湯麺(スーラータンメン) : 1260円

☆☆☆



 これは、美味しい!ハマる味わい。この店の看板メニューにして、一番人気。酸っぱくって、辛くって、旨い!ニュアンス的には、ちょっと、とろみが付いたフカヒレラーメン的なニュアンスの卵とじスープに、黒胡椒、ラー油と香醋がアクセントで絡んだ絶品!麺は、細い中華麺仕様。こちらの料理は、無化調、少々塩っぱい濃い味ながら、辛さと酸味がクセになるような絶妙のバランス感覚で波状攻撃してくる、暑い夏に、”フハフハ言いながら”食べて、ひと汗流すには、持ってこい!まさに病みつきな逸品。



 奥行きのあるスープに、具材は、細かな刻みで、シイタケ、たけのこ、などの面々。あと、ハムとか、干し貝柱、胡椒なども入ってるかもしれない(が正確には店に確認してない。)

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久が原湯

久が原湯

 銭湯巡りを敢行していると、どうしてもネックとなるのが、最寄りの駅自体がなく、どこからも程なく遠いところ、というのがある。久が原湯も、そんなひとつ。道行きに、意外とアップダウンが付きまとうケースでは、いっそのこと、ターミナル駅間のバス通りに注目すると便利だ。



 久が原湯がある近くのバス停は、”安詳寺前(あんじょうじまえ)”東急バスで、田園調布駅⇔蒲田駅西口行きのルートが使い易い。バス停を降りて、久が原二丁目交差点で、東急ストアが見えたら、その角の小路を入ったところにあるビル銭湯。自主製作なのだろうか、端々に個性的な内装がユニークなセンスで、施されている。



* 大田区久が原2-14-15 4・14・24(休)

15:30~24:00 450円

** 黒湯の写真は、HPより転載。



 黒湯 : ☆  この暑い時季に、黒湯の水風呂があるのが嬉しい!



 こちらでは、地下150メートルから汲み上げた地下水を、加熱して使用。嬉しいことに、小さいながら水風呂浴槽があり、冷鉱泉を使用しています。黒湯の加熱浴槽は、内湯では深い浴槽と、半屋外ともいうべき、脱衣所脇の薄暗い露天岩風呂のふたつがあります。



 見た目で、ある程度、色合いは、麦茶程度の黒さを目視できるのですが、重曹泉であっても、成分比では、あまり濃さを感じさせないものがあります。加えて、残念なのが、かなり塩素の使用量が多いこと。とくに、岩風呂において、滝のように流れ落ちる注湯口からは、イソジン臭が感じられ、これは、黒湯成分とカルキとが重合した場合に感じられる特徴的なニオイとなります。



 しかしながら、黒湯は、あくまで黒湯として付き合うのが常。加熱浴槽に浸かった後、冷鉱泉の黒湯にたっぷりと身を沈めて、冷温浴を交互にしますと、肌の汚れも取れて、浴後にさっぱりとした肌合いになり、まさに夏向きの温泉です。

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蓮華

蓮華









 時節柄、お盆には、お盆らしい画像があれば、あとは、ごちゃごちゃした言葉も要らないだろうということで。花の時季としては、もう終盤を迎えつつある蓮。群れた蓮もキレイだが、ひとつひとつの蓮も十分に綺麗だと言う事。むしろ、ひとつひとつの蓮に惹かれる、それも、池に落ちた花弁、一枚になんだか、いのちが宿ってる感じがする。









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(閉店)鎌倉・二階堂 うどん三昧 とく彦

鎌倉・二階堂 うどん三昧 とく彦

この道12年、できれば騒がず、あわてず、

そっと温かく見守りたい!

隠れ家でいただく極上の手打ちうどん

** 2013年末にて閉店。


 以前、銀座で、”さか田”という店をやっておられた方が、2006年鎌倉・二階堂の閑静な住宅街の一角に、突如、引っ越されて、”うどん三昧 とく彦"(HP)の看板を掲げ、ひっそり営業されて、今年で4年目になった。店主は、坂田篤彦(とくひこ)さん、徳島生れの方である。



 往時の”銀座 さか田”での営業を知る者たちにとっては、その美味しさには定評があり、ちょっとした語り草でもあった。また、東京で食べれなくなって久しいゆえ、うどん好きにとっては、もっぱらの伝説にさえなった。正直、わたしは、銀座で食べることが叶わなかった、しかし、こちら二階堂にて、その大将が、同じうどん屋を引き続き営業されてることをようやく知り、今回、運よく足を運ぶことになった。



* 鎌倉市二階堂58-11 月曜&第3火曜休

11:30~14:00(売り切れ仕舞い)

17:30~19:30

原則的に数日前より予約のみ(予約なしの訪問、当日の予約は難しい)

 もとから住居をそのまま、うどん屋さんにしているので、個人宅へとお邪魔する感じとなる。内部は、日本間がふたつ、座椅子が配された座敷スタイルのテーブル席が数卓あるだけの小じんまりした内観。外観は、二階堂の住宅街に有る日本家屋のままで、遠くからは、すぐにそれとは分かり難い。荏柄天神社と頼朝の墓地をつなぐ延長線上に、ちょうど挟まれた感が有る谷戸である。この界隈は、行き止まりの路地ばかりで、”うどん三昧 とく彦”さんがある場所は、なかなか探し難い。



 荏柄天神社参道前にある、奇妙なX字型した、”びゃくしん”が絡まった鳥居が見えてきたら、そこの路地を左折、しばらく進むと現れた、”カジュアートスペース”で、この炎天下、草刈りをしていた方に、ひとしきり挨拶を交わし、それを過ぎて、清泉小学校脇の路へと出たら、東御門方面へと行き止まる手前で、右折した小路沿いに看板が見えてくるでしょう。



 せかせかと、忙しなく動くオヤジさんが、おひとりで店を切り盛りしていらっしゃるので、混雑時にあたる御昼時を避けて夕刻前に、事前に電話して、必ず予約しないと、当日そのまま訪ねても、キッパリ断られるのが常です。温厚そうな方に思えるのですが、その忙しない性分(性格)からなのか、始終、テンパってるご様子で、ともかくも、予約した時間ちょうどに着くように心がけ、言われた席に黙って着き、注文して、味わって、満足のうち帰るのが、ローカルルールみたいです。

 うどん : ☆☆☆☆



 いうまでもなく、神奈川県下においては、うどんの技量的に、まず、ナンバーワンでしょう!うどんの旨さは、ピカイチです。都内にあったら、”十条のすみた”と双璧であったというのは、いまでも、肯ける程、紛れもない事実です。ただ、鎌倉のド田舎に引っ込んでしまった以上、静かな余生とでも、申しましょうか、誰にも邪魔されず、店主が好きなように自分がトコトン拘れるレベルで、できるかぎり、お客さんにベストのものを提供したいという願いに、沿ったかたちでしか、いまは、達人が打つ、うどんを提供していないことになります。うどん同様に、その想いは、お客さんもの喉越し良く受け止めねばなりません。



 手打ちうどん専門店ゆえ、料理的なバリエーションは、数少なく、手すさび的な惣菜のみ、行き当たりばったりなのですが、讃岐うどんの粋を、東京近郊で味わえるのは、嬉しい限りです。現在、みかけも、味わいも、讃岐うどんタイプでサーブされています。小麦粉は、オーストラリア産小麦仕様だそうです。もちろん、見かけは、真っ白、噛み応えバッチリ、やや塩味が効いた、喉越しのいい、ぶっとい手打ちうどんです。文句なく、旨いです。幸運にも、このテーブルに着けたのなら、黙って、そして、心して味わいましょう。



* 味=◎ ボリューム=◎ CP=◎ 接客=口出しせず、ひたすら温かく見守ってあげましょう。



 うどん三昧 : 1400円

☆☆☆☆



 ぶっかけ(冷)、生じょうゆ(冷)、きつね(温)または、たぬきの三種という、ひととおり食べれる欲張りなセットで、こちらの看板メニュー。いりこダシが絶妙な温かな、おうどんと、讃岐らしい、ぶっかけが2タイプ味わえるので、こちらでの初顔合わせには、ちょうど良かろう。

 ランチセット : 1300円

☆☆☆☆



 こちらも、さらにボリューム満点なセットメニュー。単品メニューに掲げられた、お好きなうどん各種に、ご飯(五穀米みたいなもの)に、その日の日替わりおかずが加わった、魅惑の一品。この日は、ごまだれぶっかけうどん(冷)をチョイス、これが、またバツグンのお味だった。かなりおススメ。



 この日のおかずは、揚げ茄子と茹で鶏に、ゴマだれソースが掛ったものに、白髪ネギとアスパラが添えられたもの。ひたすら凡庸だが、ビールのツマミに宜しかろう。味は、家庭的で優しいお味。 

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黒地蔵縁日・黒地蔵盆@鎌倉 覚園寺

黒地蔵盆@鎌倉・覚園寺

8月10日黒地蔵縁日 

観光バスが来ない、もうひとつの鎌倉


 鎌倉で、”もっとも鎌倉らしい場処”は、どこか?と問われれば、おそらく誰しも、得意げに、いくつか華やかな候補を挙げてくることでしょう。江ノ島、長谷観音、由比ヶ浜それとも鎌倉大仏、鶴岡八幡宮。それでも、観光地ではない鎌倉を敢えて選ぶすると、ひとそれぞれ思い浮かべるものが限られてくるはずです。そんななかで、昔からの鎌倉が未だに残され愛されている場処は、案外少なくなってると思うのです。



 大塔宮から、さらに深い谷戸に沿って、脇に小川が流れる中、緩い坂道となった小路を、しばらく山側へと辿って行った先には、たいへん静かなお寺、”鷲峰山 覚園寺”さんが、ポツンとあります。なかなか行く機会に恵まれないのは、この覚園寺さんが、ふだんから自由に拝観されていない特殊な環境下にあるからだろうと思います。また、他の寺社とは離れて存在するゆえ、単独でしか訪れることが無いためでしょう。ともかくも、中世鎌倉の景色を、それとなく感じさせてくれる薬師堂ヶ谷の自然環境が、この覚園寺には、備わってると自分には思うのです。



 火焼地蔵さまのご縁日、香煙立ち込める苑内に、参詣者が引きも切らず訪れる。



* 鎌倉市二階堂421 普段の拝観については指定の日時のみ可能。

8月10日には、原則無料で開放。

 黒地蔵縁日 : 毎年、8月10日、長谷寺や杉本寺では四万六千日詣の法要が執り行われているなか、此処、二階堂の薬師ヶ谷奥に有る覚園寺で、しめやかに催される、盂蘭盆会、それは古くからの地蔵信仰を伴ったもので、”黒地蔵盆”と称されます。真夜中に行われることから、”くらやみ参り”とも称され、古くからこちらに住まわれている地元の方々は、非常に大切にされていて、9日深夜前から並んで参拝されるのです。時間が区切られており、いちおう、8月10日になった深夜(0:00~)~正午(~12:00)まで区切られた行事なのです。



 バスの終着駅である=鎌倉宮(大塔宮)でさえ、奥まっていて、観光客数は少なめですが、そこから、さらに坂道を山側まで、15分ほど上がった先にある覚園寺は、ふだんは、もちろん人影すら疎らなのですが、地蔵盆のこの日だけは、深夜からお参りする人たちで、たいそうな賑わいを魅せます。



 鎌倉の地に、武家文化として、”谷戸造成”があげられます。簡単に述べると、武士が自分の本拠地である場所に山地を造成して自らの住まいを構えるとともに、寺院建造や禅宗庭園の造成、やぐら(石窟を利用した墳墓堂のようなもの)を作っていくこととなります。当時、中国から渡来した禅宗寺院は、大きな山容を活かし、尾根を利用した山岳系の外観でしたが、こじんまりした鎌倉では在るべき山の地勢を活かした開発=谷戸造成が、鎌倉武士たちに求められたのです。



 稜線が狭く、襞のようになった山と山のわずかな空間を谷戸(やと、または、やつ)といいますが、その空間を活かして造成しつつ、山に向かって競り上がっていく様な形で、V字型の谷戸に入り込むように寺院を建造していきます。造成をきっちりすることで、平面に伽藍展開を施した形式の建長寺がありますが、緩やかな山の斜面を雛壇状に切り拓いて伽藍を配置させたタイプとして円覚寺、浄光明寺、そして覚園寺が代表格となってきます。なお、谷戸の造成にあたって、迫りくる山肌を、垂直に削り取って、壁みたいな景観を、”切岸”とよんでいます。



 このように雛壇状になった中世の寺院伽藍配置、谷戸の地勢を踏まえて作り込まれた覚園寺は、山懐に抱かれているからかもしれませんが、自然が残されていて癒しの空間というよりは、逆に暗い印象、かなり閉鎖的な空気を感じ受けました。この疑問に関する答えは、すぐに見つかります。



 それは覚園寺に関して書かれた縁起書を読んでいたとき、文章に城塞寺の文字を読み取りました。普段は寺院としての体裁を保ってますが、有事には、砦として機能していたであろうというものです。

 黒地蔵盆 : 8月10日、黒地蔵尊が亡くなられた方々に私たちの気持ちや願いを運びとどけてくださる縁日として施餓鬼法要(せがきほうよう)が行われます。



 階段を上がり、山門を抜けると、ひとしきり参拝客の行列が続きます。拝観のスタートは、明治の廃仏毀釈で廃寺となった大楽寺から移築された=愛染堂で、中央に木造愛染明王、木造阿閦如来(あしゅくにょらい)坐像、鉄造不動明王坐像8通称:鉄不動)が安置されている。お堂には、仏旗である五色旗が風になびいて、おごそかにも美しい。お堂の内部は、ほの暗くて、奥まっているので、仏像の御顔はよく拝めなかった。線香をお供えし、軒下から滑車で吊るされた、念珠・数珠のようなものを、くるくろと手元に引き寄せながら回して願い事等を祈念する。



 昨晩来の雨でぬかるんだ苑内を歩き、傍らの野仏=六地蔵を見やりながら、行列となっている黒地蔵のもとへと向かう。地蔵堂とはいえ、かなり立派なもので、遠くからでも、黒光した地蔵尊の柔らかなお顔が仰げて、非常に心鎮まる気持ちでした。火焚き地蔵とも呼ばれる=黒地蔵の謂われは、業火に焼かれる罪人の苦しみを少しでも和らげようと獄卒(地獄の番人)に代わり火焚きを行い、罪人を助けた、そのため黒く煤けたような外観になってしまったという。鎌倉時代に作られた高さ1.8メートルと大きなもので、黒く煤けた黒地蔵がある。五百羅漢と同じ発想で、周囲に祀られた、夥しい数の小さな地蔵=千体地蔵のなかに、身寄りの死人にそっくりの顔が見つかると言う。千体地蔵堂は、黒地蔵の分身を奉納する場所。



 十三仏やぐら、は石窟で、けっこう大きなもの。向かう間、ちょっと、ぬかるみがスゴイ。旧内海家住宅は、鎌倉市内から移築したもので、江戸時代の名主の住宅、建築は宝永3年のものらしい。外観は、萱ぶき屋根になっており、こちらでは、早朝6時より、お粥が振舞われている。ただし、1杯500円、なかなか、ガッチリしている。味は、塩味が効いていて、美味しい、ネギとレタスがたっぷり入っていてお腹がいっぱいになる。旧内海家住宅前は、ちょっとした休み処になってます。緋毛氈の敷かれた椅子に腰かけ、ひろい伽藍を廻っての、最後の休憩場所となっている。



 薬師堂は、この訪仏のメインともいうべき場所。元禄年間再建、茅葺き屋根の寄棟造りで、地面は土間である、いかにも古い感じのお堂。本尊薬師三尊像(月光菩薩・日光菩薩)のほか、かなり大きな木造薬師如来坐像を守護しているコワモテな十二神将立像(いちおう十二支に割り振られている。)、阿弥陀如来坐像、伽藍神像(いかにも中国っぽい、異質なもの)などを安置している。薬師堂の前には、向かって右側に大きなクスノキの巨樹、左手には、鎌倉では一番大きいであろう=イヌマキ(樹齢650年とも)があって、癒される。



 黒地蔵盆は、愛染堂から奥は、拝観だけで、すべて写真撮影不可なので、やはり実地で体感しなければ個々に伝わってこない臨場感がある。そこがまた、イイのだろうと思う。薬師堂で、始終交代で上げられる読経の声、ひぐらしの蝉しぐれ、苑内に立ち上った線香の煙、五色旗のはためき、そういうものが一体となって、われわれに訴えかけ、伝えてくれるなにかがあるように思う。

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Author:momoneko0725
とうきょうの美味しい食べ物や東日本にある温泉地の紹介です。

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