報国寺(竹の寺)@宅間ヶ谷
報国寺(竹の寺)@宅間ヶ谷
谷戸を吹きわたる風が、竹をサララと揺らす。 :
報国寺、本来、禅寺だろうから、もっと質素な趣きをたっぷりと味わいたいところだが、なにしろ人出がいつも多い。全体からすれば、ほんのわずかなスペースしか占めていない竹林の風情のほうが有名になってしまって、皮肉にも観光地化されてしまった、果たして枯山水に想いを凝らす人も居るのかどうか。
それにしても、履き清められた苑内は、咲き始めたアジサイの青、芽吹きが揃ったモミジ、苔の緑が一層映え、行き届いた管理が為された、よい場処であると、訪れるたびに痛感する。場所が鎌倉だけに、古い寺院が多いと思い込みがちだが、案外と鎌倉時代に創建された建造物は少ない。
鎌倉で一番の古刹と目されている=近隣の杉本寺でさえ、平安時代、天平6年に創建されている。こちらの報国寺に至っては、室町時代の初め、足利尊氏の祖父に当たる=家時が開基とされる。
どこにでもある竹林は、さておき、こちらには、いかにも鎌倉の谷戸に相応しい光景も随所に見受けられる。まず、苔が敷き詰められるように生育しているさまは、もとから、湿潤地であることの表れとしても、湧水が豊富で、崖地の岩肌には、イワタバコの大きな葉が見受けられ、大きな群落を作っている。苑内、大きな木々を含めて、植物の種類が、かなり多い。季節ごとによって、咲く花も違いがあり、まことに四季に、それぞれの潤いを持たせて、訪れた人々の目を楽しませてくれる。
お茶の木が、いくつも植えられて、刈り込まれているさまは、いかにも禅寺らしさを醸し出している。自然の織りなす姿に、人間が手で配置された仏像、灯篭等が加わって、また、いかにも古都の景色を随所に与えてくれるのを見るのも楽しい。なお、竹の庭への拝観には、200円の入園料、竹の音と滝の流れを聞きながらお抹茶をいただける休耕庵にて、さらに500円払えば、パンフレットももらえて、茶席でお茶も飲めます。
もっとも、鎌倉らしい光景と言えば、わけても、”やぐら”、があることであろう。やぐらとは、砂岩質の加工し易い山肌を、ドーム状にえぐり取って作ったスペースに配置された、墓所のことを指す。報国寺には、足利氏族の墓所と言う性格もあり、その姿が、このような、やぐらを通じて垣間見ることができる。
日曜朝には、座禅会が催されている。座禅を行う、迦葉堂(かしょうどう)前には、禅寺らしい、簡素な枯山水が、背後の山と祖先の墓(やぐら)を伴って、借景として広がっている。まことに、美しい。その前のベンチに腰掛けて、しばし、瞑想してみたいものだ。

報国寺、本来、禅寺だろうから、もっと質素な趣きをたっぷりと味わいたいところだが、なにしろ人出がいつも多い。全体からすれば、ほんのわずかなスペースしか占めていない竹林の風情のほうが有名になってしまって、皮肉にも観光地化されてしまった、果たして枯山水に想いを凝らす人も居るのかどうか。
それにしても、履き清められた苑内は、咲き始めたアジサイの青、芽吹きが揃ったモミジ、苔の緑が一層映え、行き届いた管理が為された、よい場処であると、訪れるたびに痛感する。場所が鎌倉だけに、古い寺院が多いと思い込みがちだが、案外と鎌倉時代に創建された建造物は少ない。
鎌倉で一番の古刹と目されている=近隣の杉本寺でさえ、平安時代、天平6年に創建されている。こちらの報国寺に至っては、室町時代の初め、足利尊氏の祖父に当たる=家時が開基とされる。

お茶の木が、いくつも植えられて、刈り込まれているさまは、いかにも禅寺らしさを醸し出している。自然の織りなす姿に、人間が手で配置された仏像、灯篭等が加わって、また、いかにも古都の景色を随所に与えてくれるのを見るのも楽しい。なお、竹の庭への拝観には、200円の入園料、竹の音と滝の流れを聞きながらお抹茶をいただける休耕庵にて、さらに500円払えば、パンフレットももらえて、茶席でお茶も飲めます。

日曜朝には、座禅会が催されている。座禅を行う、迦葉堂(かしょうどう)前には、禅寺らしい、簡素な枯山水が、背後の山と祖先の墓(やぐら)を伴って、借景として広がっている。まことに、美しい。その前のベンチに腰掛けて、しばし、瞑想してみたいものだ。


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