HIROMIを観に、有楽町 東京国際フォーラム 東京JAZZフェスティバル2008に行ってきた
HIROMIを観に、東京JAZZフェスティバル2008へ行ってきた
@有楽町 東京国際フォーラム
昨年末、ようやくチケットが手に入って、上原ひろみのコンサートに行くことができた。今年末も行けるとは限らないので、比較的、競争率度合いが鈍い、真夏の恒例行事=東京JAZZ FESTIVAL 2008に、初めて足を運んでみた。
* メインショーとは別に、ホールA、2Fのロビーの一角では、ウェルカムステージが設けられ、開演前の一時、ミニ・コンサートが開かれていた。もちろん、無料で聴く事が可能。
そういえば、昨年夏、東京JAZZのステージ上で、あんなにも元気に駆け回っていた、ハイラム・ブロックが、7月に急死してしまった。24丁目バンドでの活躍は、もちろんのこと、旧友ジャコとの演奏、スティングでのジミ・ヘンドリックスばりのソロが懐かしい。あぁ、合掌。
そんなわけで、うっかり見過ごすと、もう、ステージ上では聴けなくなるアーティストも居るわけだから、心して、好きなミュージシャンが、大挙押し寄せる際には、出来る限り踏ん張らないといけない。しかし、2008年は、当たり年である。
ひと月に、2つもステージなど観れないから、悲しいかな、数は絞らざるを得ない。キース・カーロック、初のパーマネントバンド=RUDDERの日本初公演も9月に予定されているが、見送らざるを得ない状況。
さて、前置きが長くなってしまったが、上原ひろみは、2年前にも東京JAZZへと初登場しており、その際は、チック・コリアとの初顔合わせだったように記憶している。今回は、天災肌のタップダンサー=熊谷和徳との異色コラボと、8月30日夜、ドラマチックナイトでの登場と相成った。自らのパーマネント・グループである=ソニック・ブルームでの演奏であり、もちろん鬼面・フュージンスキーも引き連れてきている。
この日、夜のセット・ステージでは、他に、フランスのアコーディオン奏者である=リシャール・ガリアーノ&ザ・タンガリア・カルテット(メンツの繰り合わせが上手く手配できずに、急遽バイオリニストの寺井尚子参戦!)と、ミシェル・カミロ・トリオのメンツであった。
東京JAZZが、人気の無い理由が分かった。閉宴が、夜11時近くにまで、ずれ込むので、ちょっと遠くからの参戦は、堪えそうだ。3セットで、催されるのだが、それぞれのパフォーマンスに対して、与えられた時間は、わずかに1時間ほど。
セット替えに、20分の休憩が入るものの、それぞれのステージにつながりはなく、、もちろんJAMもなくて、ただ、あっさりと演じられる、一応、一曲づつアンコールはあるのだが。
さて、初っ端から、HIROMIが登場。今日は、NHKテレビで放映されるとかで、かなり気合が入っているのが、感じられた。短めの演奏であったけれども、新譜から、スタンダードを完璧なる演奏で披露。やっぱり、HIROMIは、ライブで観ないと面白くない。ライブは、サイコーである。
今日思ったのだが、ピアノもギターも旋律が、微妙にかぶると思われたが、フュージンスキーは、フレットレス・ギターでソロも取るので、平均律のピアノとは、ニュアンスが異なっていて、いいのだと納得。それにしても、さすがに世界をツアーしてきただけあって、バンドとして、万全の構えで、年末より、見違えるようなパフォーマンスだった。パット・メセニー・グループは、超えたように思えるほどだ。
* 8月30日 : HIROMI セットリスト
1.2. イントロ~朝日の如くさわやかに : 一応、メンバーの紹介を兼ねて、ソロ回しが、完璧にお披露目できる構成の曲だけに、オープニングにして、観客のハートをキャッチするに好都合な曲。この日は、音的な環境が備わっていたため、レコーディングより、ライブの方が数段良かった。
トニー・グレイのメインベースが、なんとフォデラから、6弦のYAMAHAに変わっていた。もちろん、音質も、ずいぶんと変化していた。HIROMIが、YAMAHA出身からかもしれないが、ドラムのマーティンを含めて、YAMAHAが前面サーポートした国際派ミュージシャンというかたちなのかもしれない。
3.月の光(ドビュッシー) : アルバムに忠実な、再現。
4.上を向いて歩こう : アルバムよりもさらに崩して、フェイクしていて、かなり良かった。切れ切れに現れたメロディーがなければ、これが坂本九の唄とは気が付かないだろう。日本の曲も、ちゃんと押さえているところが、上原ひろみ流のスタンダードということなのだろう。
途中、フェンダーローズとピアノを左右に振り分けて弾く場面が、あり、かなりハイライト的な場面でしたね。
5.アイ・ガット・リズム : 上原ひろみのソロ・ピアノのよさを味わえる曲。お馴染み、ガーシュイの名曲ですが、こう来たか!と納得するような、味わい。
6.キャラヴァン : フュージンスキーは、今回は、アルバムの構成上、比較的おとなしめな印象、音色が、なにより綺麗で繊細なギターに徹していて、高感度大。
この曲は、唯一、フュージンスキーが中近東風のアプローチと、JAZZギターには珍しいアーミングでバリバリに迫る、盛り上がった曲。HIROMIは、フュージンスキー寄りに、NORDリード2で応戦。HIROMIは、激しさを増したソロ場面では、やっぱり、どこかチック・コリアを髣髴させる。しなやかにして大胆、彼女のピアノは、やっぱり、華がある。観てて爽快。
アンコール=タイム・アウト : 御馴染みの曲もやってよぉ~という、贅沢なファンの想いを見透かすかのような、テーマ曲。やっぱり、バンドで表現するHIROMIの世界は、すばらしい。フュージンスキーを交えて、更に更に飛躍した、ソニック・・ブルーム、運よく行ける事が叶うのなら、是非、年末も期待したいところである。
リチャード・ガリアーノのアコーディオンと寺井尚子のバイオリンは、かなり相性が良かった。寺井尚子は、思ったより、音色が豊富で、かなり技巧的にも巧いように思う。ガリアーノは、親交があったピアソラの名曲までソロで、弾きまくってくれて、かなり感動させられた。(なお、9月1日、日仏学院でもコンサートが開催されるそうです。)
ミシェル・カミロは、昔からファンだったのですが、コンサートで観るのは初めて。目の当たりにした、超絶技巧の数々、カミロのピアノは、いったん爆発的に走り出すと、運指が早すぎて見えませんでした(笑)。それでも、スローなバラードタッチの曲も、なかなか素敵で、彼の繊細な感性と、余韻が美しいピアノの音色と響きに酔いしれました。
カミロは、ドミニカ出身ですが、今回は、キューバのリズム隊を引き連れてまして、ドラムのダフニス・メイハスは、アフロ・キューバンな面白いリズムパターンで、かなり独特なノリと技巧を兼ね備えていました。出色でした。
@有楽町 東京国際フォーラム

* メインショーとは別に、ホールA、2Fのロビーの一角では、ウェルカムステージが設けられ、開演前の一時、ミニ・コンサートが開かれていた。もちろん、無料で聴く事が可能。
そういえば、昨年夏、東京JAZZのステージ上で、あんなにも元気に駆け回っていた、ハイラム・ブロックが、7月に急死してしまった。24丁目バンドでの活躍は、もちろんのこと、旧友ジャコとの演奏、スティングでのジミ・ヘンドリックスばりのソロが懐かしい。あぁ、合掌。
そんなわけで、うっかり見過ごすと、もう、ステージ上では聴けなくなるアーティストも居るわけだから、心して、好きなミュージシャンが、大挙押し寄せる際には、出来る限り踏ん張らないといけない。しかし、2008年は、当たり年である。
ひと月に、2つもステージなど観れないから、悲しいかな、数は絞らざるを得ない。キース・カーロック、初のパーマネントバンド=RUDDERの日本初公演も9月に予定されているが、見送らざるを得ない状況。
さて、前置きが長くなってしまったが、上原ひろみは、2年前にも東京JAZZへと初登場しており、その際は、チック・コリアとの初顔合わせだったように記憶している。今回は、天災肌のタップダンサー=熊谷和徳との異色コラボと、8月30日夜、ドラマチックナイトでの登場と相成った。自らのパーマネント・グループである=ソニック・ブルームでの演奏であり、もちろん鬼面・フュージンスキーも引き連れてきている。
この日、夜のセット・ステージでは、他に、フランスのアコーディオン奏者である=リシャール・ガリアーノ&ザ・タンガリア・カルテット(メンツの繰り合わせが上手く手配できずに、急遽バイオリニストの寺井尚子参戦!)と、ミシェル・カミロ・トリオのメンツであった。

セット替えに、20分の休憩が入るものの、それぞれのステージにつながりはなく、、もちろんJAMもなくて、ただ、あっさりと演じられる、一応、一曲づつアンコールはあるのだが。
さて、初っ端から、HIROMIが登場。今日は、NHKテレビで放映されるとかで、かなり気合が入っているのが、感じられた。短めの演奏であったけれども、新譜から、スタンダードを完璧なる演奏で披露。やっぱり、HIROMIは、ライブで観ないと面白くない。ライブは、サイコーである。
今日思ったのだが、ピアノもギターも旋律が、微妙にかぶると思われたが、フュージンスキーは、フレットレス・ギターでソロも取るので、平均律のピアノとは、ニュアンスが異なっていて、いいのだと納得。それにしても、さすがに世界をツアーしてきただけあって、バンドとして、万全の構えで、年末より、見違えるようなパフォーマンスだった。パット・メセニー・グループは、超えたように思えるほどだ。
* 8月30日 : HIROMI セットリスト
1.2. イントロ~朝日の如くさわやかに : 一応、メンバーの紹介を兼ねて、ソロ回しが、完璧にお披露目できる構成の曲だけに、オープニングにして、観客のハートをキャッチするに好都合な曲。この日は、音的な環境が備わっていたため、レコーディングより、ライブの方が数段良かった。
トニー・グレイのメインベースが、なんとフォデラから、6弦のYAMAHAに変わっていた。もちろん、音質も、ずいぶんと変化していた。HIROMIが、YAMAHA出身からかもしれないが、ドラムのマーティンを含めて、YAMAHAが前面サーポートした国際派ミュージシャンというかたちなのかもしれない。
3.月の光(ドビュッシー) : アルバムに忠実な、再現。
4.上を向いて歩こう : アルバムよりもさらに崩して、フェイクしていて、かなり良かった。切れ切れに現れたメロディーがなければ、これが坂本九の唄とは気が付かないだろう。日本の曲も、ちゃんと押さえているところが、上原ひろみ流のスタンダードということなのだろう。
途中、フェンダーローズとピアノを左右に振り分けて弾く場面が、あり、かなりハイライト的な場面でしたね。
5.アイ・ガット・リズム : 上原ひろみのソロ・ピアノのよさを味わえる曲。お馴染み、ガーシュイの名曲ですが、こう来たか!と納得するような、味わい。
6.キャラヴァン : フュージンスキーは、今回は、アルバムの構成上、比較的おとなしめな印象、音色が、なにより綺麗で繊細なギターに徹していて、高感度大。
この曲は、唯一、フュージンスキーが中近東風のアプローチと、JAZZギターには珍しいアーミングでバリバリに迫る、盛り上がった曲。HIROMIは、フュージンスキー寄りに、NORDリード2で応戦。HIROMIは、激しさを増したソロ場面では、やっぱり、どこかチック・コリアを髣髴させる。しなやかにして大胆、彼女のピアノは、やっぱり、華がある。観てて爽快。
アンコール=タイム・アウト : 御馴染みの曲もやってよぉ~という、贅沢なファンの想いを見透かすかのような、テーマ曲。やっぱり、バンドで表現するHIROMIの世界は、すばらしい。フュージンスキーを交えて、更に更に飛躍した、ソニック・・ブルーム、運よく行ける事が叶うのなら、是非、年末も期待したいところである。
リチャード・ガリアーノのアコーディオンと寺井尚子のバイオリンは、かなり相性が良かった。寺井尚子は、思ったより、音色が豊富で、かなり技巧的にも巧いように思う。ガリアーノは、親交があったピアソラの名曲までソロで、弾きまくってくれて、かなり感動させられた。(なお、9月1日、日仏学院でもコンサートが開催されるそうです。)
ミシェル・カミロは、昔からファンだったのですが、コンサートで観るのは初めて。目の当たりにした、超絶技巧の数々、カミロのピアノは、いったん爆発的に走り出すと、運指が早すぎて見えませんでした(笑)。それでも、スローなバラードタッチの曲も、なかなか素敵で、彼の繊細な感性と、余韻が美しいピアノの音色と響きに酔いしれました。
カミロは、ドミニカ出身ですが、今回は、キューバのリズム隊を引き連れてまして、ドラムのダフニス・メイハスは、アフロ・キューバンな面白いリズムパターンで、かなり独特なノリと技巧を兼ね備えていました。出色でした。
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