企画展 うなぎの不思議 @船の科学館
企画展 うなぎの不思議 @船の科学館
~ 会期 : 8/4~9/30
お台場方面にある、船の科学館 (HP)へと初めて出向いた。いわゆる競艇の収益金を吸い上げて、涼しい顔をしている日本財団(旧日本船舶振興会)が運営している施設である。それなのに、入場料は700円である、これと言って、ろくな館内展示はないが、科学博物館や交通博物館で抜け落ちた船に関する模型展示を中心に、それらしくお茶を濁した感が否めない。
それに反して、地上60メートル、階上の展望室からの眺めは、けっこう素晴らしいものがある。海から見た東京の景色を語るには、絶好の立地で、このタワーを見落としてしまいがちであるが、海が見える食堂といい、穴場にしてお台場の隠れた名所とも言えそう。
料金設定が高いと悪評判な新交通ゆりかもめを使わずとも、浜松の貿易センタービル地下から、都営バスで200円で到達できる。京浜島~羽田方面へと降り立つ旅客機を見たり、船を見たりと、普段と変わった景色が見れる、良い場所であるかもしれない。フジテレビ方面は、めちゃばけで行列が熱河のように続いていた。
《うなぎの不思議》と題された企画展を開催しているので、覗いて見た。船の科学館で、何故に鰻なのか?最初は、疑問に思ったが、あまりに自分が、浅はかだった。
うなぎは川や沼にいるものとしか思い浮かばないのだが、海に生まれ、海に帰っていくものである。しかも、21世紀になって、まだ、その生態は明らかになっていない。人類との付き合いは、4000年も前に遡るとされ、アリストテレスでさえ、その解釈に曖昧であったのが、うなぎの秘密なのである。
世界でも、うなぎを食すことに関しては、その量的に見て、図抜けた日本人ですが、鰻の生態的な研究でも、頑張って最先端で世界貢献しているのです。そんなこんなを踏まえての、獲る、食べる、探るなどの多彩な視点から鰻の不思議に迫った展示です。
うなぎの遺伝子的なレベルからみた、系統樹の発端は、ボルネオだそうです。いまもインドネシア~アフリカには原始的な熱帯うなぎという種類とヨーロッパ~アメリカ東海岸~日本のうなぎの2系列が世界に片寄って産していることになります。
通常、我々が口にしている蒲焼の99%は養殖である。それでも厳密にいえば、子どもの鰻を捕まえて、それを育てているにすぎない。つまり安定供給は、いつか不可能になる、つまり資源枯渇の怖れがあるからである。
そんななか、三重県にある水産試験場で、人工孵化により卵から成魚まで育てることが、ほんの数年前に成功した。しかし、実用化までは、ほぼ無理であるとされる。なぜなら、養殖用として商業ベースに乗せるために原価が100円足らずなのに、この人工養殖鰻が、なんと一匹の値段が100万近くになるというのだ!
つまり、これまでの研究費として投入された分、自然界なら150日ほどで成魚に変態するのに、試験場では、500日近くまで掛かった個体もいるのだという。これでは、それまでに掛かる養育費が膨大なものになってしまいからだ、まったく頭を抱えたくなるような鰻の気難しさである。
資源枯渇に手を打ちたい。その信念から、ウナギの生態をしるべく、その実家を突き止めに、探索船=白鳳丸が太平洋の、するが海山付近へと向う。この広い大海で、わずか東京ドーム分ぐらいの海水を採取して、卵や幼生を検知する。たいへんな作業である。
難破船で有名なバミューダトライアングルの海底深くに、うなぎの産卵場所があるらしい、というのが判ったのが、2005年。まさに、うなぎごときで、大冒険が幕を切って落とされた感じである。
しかし、まだ、ニホンウナギの実際に生まれたばかりの卵を採集するには到っていない。そして、成熟した銀色に輝く大ウナギが、どのようなルートを使って、日本の川を下って、マリアナ海溝あたりまで、辿り着くのか、その解明も進んでいない。ウナギに関する、すべての事柄は、いまだ、掴みどころのない仮説に留まって泥の中なのである。
~ 会期 : 8/4~9/30

それに反して、地上60メートル、階上の展望室からの眺めは、けっこう素晴らしいものがある。海から見た東京の景色を語るには、絶好の立地で、このタワーを見落としてしまいがちであるが、海が見える食堂といい、穴場にしてお台場の隠れた名所とも言えそう。
料金設定が高いと悪評判な新交通ゆりかもめを使わずとも、浜松の貿易センタービル地下から、都営バスで200円で到達できる。京浜島~羽田方面へと降り立つ旅客機を見たり、船を見たりと、普段と変わった景色が見れる、良い場所であるかもしれない。フジテレビ方面は、めちゃばけで行列が熱河のように続いていた。

うなぎは川や沼にいるものとしか思い浮かばないのだが、海に生まれ、海に帰っていくものである。しかも、21世紀になって、まだ、その生態は明らかになっていない。人類との付き合いは、4000年も前に遡るとされ、アリストテレスでさえ、その解釈に曖昧であったのが、うなぎの秘密なのである。
世界でも、うなぎを食すことに関しては、その量的に見て、図抜けた日本人ですが、鰻の生態的な研究でも、頑張って最先端で世界貢献しているのです。そんなこんなを踏まえての、獲る、食べる、探るなどの多彩な視点から鰻の不思議に迫った展示です。

通常、我々が口にしている蒲焼の99%は養殖である。それでも厳密にいえば、子どもの鰻を捕まえて、それを育てているにすぎない。つまり安定供給は、いつか不可能になる、つまり資源枯渇の怖れがあるからである。
そんななか、三重県にある水産試験場で、人工孵化により卵から成魚まで育てることが、ほんの数年前に成功した。しかし、実用化までは、ほぼ無理であるとされる。なぜなら、養殖用として商業ベースに乗せるために原価が100円足らずなのに、この人工養殖鰻が、なんと一匹の値段が100万近くになるというのだ!
つまり、これまでの研究費として投入された分、自然界なら150日ほどで成魚に変態するのに、試験場では、500日近くまで掛かった個体もいるのだという。これでは、それまでに掛かる養育費が膨大なものになってしまいからだ、まったく頭を抱えたくなるような鰻の気難しさである。

難破船で有名なバミューダトライアングルの海底深くに、うなぎの産卵場所があるらしい、というのが判ったのが、2005年。まさに、うなぎごときで、大冒険が幕を切って落とされた感じである。
しかし、まだ、ニホンウナギの実際に生まれたばかりの卵を採集するには到っていない。そして、成熟した銀色に輝く大ウナギが、どのようなルートを使って、日本の川を下って、マリアナ海溝あたりまで、辿り着くのか、その解明も進んでいない。ウナギに関する、すべての事柄は、いまだ、掴みどころのない仮説に留まって泥の中なのである。
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