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作品文庫と百閒

 私の趣味は、石を集めることではありません(笑)。唯一、蒐集しているのは、内田百閒に関わるもの全てです。



 作品社と言えば、『日本の名随筆』という、不朽のテーマ別アンソロジー70巻があり、その姉妹品として、この『日本随筆紀行』なる、地方別の随筆アンソロジー全24巻があります。



 正直言って、あまり書店の店頭で見かけたことがなかったのです。岡山編と東京編の2冊に百閒の作品も収録されております。近所の古書店にて、ようやく手にしました。まだ、ふつうに書店でも買えたのに、これまで見かけなかったというのもおもしろい話です。



 いろいろな町を歩きますが、そこで出会った、すべての古書店が自分のフィールドです。どんなに取るに足らない背表紙が並んでいる本屋にも、必ず足を運んで、書棚を見回します。これを怠ってしまうと、現在の百閒コレクションは、成り立ちません。 作品社と百閒のつながりは、この百鬼園言行録(並製)を発刊したことから始まっております。この作品文庫に収録されたわずか100ページほどの小冊子は、昭和13年=戦前に発行されています。翌年には、世界情勢が戦闘状態に巻き込まれていくことを思えば、ほんとうに貴重な本です。でも、より超レアな本といえば、この言行録の上製本が存在していることです。



 私も、上製本に到っては、見たこともありません。唯一、手に入れていない本のひとつなのです。どこかで、出会いたいですね。それも、何気に古い本の間に積んで置かれていて、埋もれたような形で、見つけられたら最高です。



 コレに限らず、戦前の本に出合える機会がグッと減ったような気がします。味気ないインターネットが普及したとしても、味わいのある活字本=それも戦前のものが失われないようにしたいものです。



 書物が産み出していく活字には知恵がありますが、ITには、どれほどの知恵もありません。もちろん、ITに関わっている人間も無知です。



 インターネットを通じた情報には、価値がありません。情報は自ら構築していくことで、生きた情報となります。IT産業が不毛なのは、それが、活字を読めない人間が作っているからです。そういうことのないように、本を大切にしていきたいと思います。

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(廃業)石和温泉・サンベール石和。

石和温泉駅のホームから見える 隠れた名湯。

   駅前 ビジネスホテルの天然温泉 = サンベール石和

** 残念ながら、2007年夏に廃業いたしました。


 南甲府にある温泉施設巡りも、順当に、4軒廻ったあと、最後の南温泉が、あと少しの地点にいたのですが、甲斐住吉駅から身延線に乗ってしまいました。というのも、温泉仲間の一遊さんが薦めてくれた石和温泉の駅前にある温泉を思い浮かべ、立ち寄るべく、急遽、予定変更しました。



 アクセス : 賑わいを見せる石和温泉駅前の南口ターミナルとは真逆にあり、ホームの裏側でありながら、何気に捨て置かれそうな、不便な立地条件。それでもめげずに、葡萄や桃畑のなかを進むこと10分、何の変哲も無いビジネスホテルに行き着きます。  泉質 : ☆☆☆ うっすらと、淡い緑色がついているように見える。浴感は、ツルすべで、泡付きもあります。露天風呂と内風呂のそれぞれにひとつしかない浴室は時間交代制で、午後2時でチェンジとなります。湯口から出る掛け流しの源泉を口に運ぶと、何と硫黄の匂いがするタマゴ水状態ではありませんか!



効能 : ☆☆☆ 加熱循環とはいえ、浴槽に長く浸かっていると、すぐにノボせてしまいます。かなり本格的な温泉です。  料金 : 600円 施設 : ☆☆ (駅から近く、良質の温泉とあれば、宿泊もお徳という事ですね。何かと、評判の悪い石和温泉郷にあって、情緒はないかもしれないけれど、ちゃんと正真正銘の温泉に浸かれる場所もあったということですね。お湯に浸かっていると、すぐ向こう側がホームなので、電車の音だけが聞こえます。)  * ただ、難点は、蚊が多いことです。周囲が畑ですから、その用水路から発生しているのでしょう。常連の方が蚊取り線香持参で来てました。

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つはぶきの花。

ツワブキの花。



  修善寺の温泉街を、そぞろ歩きしていた時だったであろうか、いまでは、珍しくなってしまった貸し本屋さんがあるのに気がつき、立ち止まった覚えがある。



 店内には、それ相応の、懐かしい背表紙のものに混じって、何故か、百閒の著作である=『つはぶきの花』が混ざっていた。 貸本であることを承知の上、店主に、何とか、この本を譲ってもらえないかと、交渉に入ったが、店主は、頑として聞き入れてはくれなかった。



 本は、みんなが閲覧するためのものであって、個人のものにはしたく無いとの意向だった。いまどき珍しい、筋の通った気骨な返答だった。



 その本の扉にも、このような献呈と思しきサインがあったように記憶している。当時、求められなかった、サイン入りの本書も、このつわぶきの花に到っては、よく出回っているものと思える。  ツワブキは、蕗に似て、艶のある葉の形から、そのように名づけられた。いまどきから、初冬にかけて、かなり長いあいだ咲き続けて、花の無い季節の我々の目を楽しませてくれる。比較的、薄暗がりな露地などにも植えられるが、本来は、海岸沿いなどの暖かく日当たりが良い場所を選んで、小群落となる。ガーベラなどに近い、キク科の植物である。 

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甲府市街地温泉場ラリー⑤

甲府市街地温泉場ラリー その4~ PART-2

鬼気迫る 黄金温泉の魅力にひたりましょう。


 泉質 : ☆☆☆☆ (とにかく成分といい、匂いといい、その感覚的な濃さは、甲府でもピカイチであろう。手作り感に溢れた各種浴槽には、並々と源泉が注ぎ込まれている。中央の噴水のようなつくりの円型浴槽が、一番高温で、すなわち源泉がそのまま注ぎ込まれているメイン浴槽である。香りは、群馬の温泉にありがちな、油臭+金気臭+黒湯のような濃厚な味わい。この南甲府の温泉が、ここから薄まったものと考えれば、いかに濃厚か想像できるかと思う。絶対的評価は、二分され、分かれると思う。雰囲気も薄暗くて、なにしろ、くつろげるという風ではなく、刺激の強い温泉だから、とりあえず見ておこう的な、物見遊山タイプの人には受けが良いかもしれない。演歌的な雰囲気にもめげず、通えそうな人には、きっと常連としての更なる道が開け、至福のときが享受できるはずである。 効能 : ☆☆☆☆ とにかく濃厚であるゆえに、温泉から受けるエネルギーも強くて長湯ができない。このお湯との接し方を自分なりに会得できないと、身体への負担が大きすぎて、万人には薦め難い。 ジャグジー・タイプの浴槽には、やや温めというか、ほぼ適温になった源泉が注ぎ込まれている。しかし、泡が出ていて、深い浴槽につき、ここも身体への負荷が掛かりすぎる。噴水の手前にある浴槽が、かけ湯のような浴槽で、ここはかなり温度が低いので比較的は浸かりやすい。 ここは、別源泉ともいえる水風呂である。といっても、かなり個性的で、表面に油膜が張っている。すみよし温泉ランドの水風呂と同種類のものだ、鉄分が溶け出しているのだろう、すさまじい匂いがする。ガソリンに浸かっているようである。

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甲府市街地の温泉場ラリー④

甲府市街地の温泉場ラリー その4 

  甲州街道沿いのB級といわずして一線級の温泉=黄金温泉
  アクセス : さきほどのすみよし健康ランドから、甲州街道沿いに西へと、500メートルほど歩きます。荒川の上にかかる、彩火橋を渡ると、ごらんのような360度パノラマの山また山の景色になります。ここから見えるのかもしれませんが、今日のところは、富士山は見当たりませんでした。甲斐住吉の駅へは、けっこう距離があって、徒歩では、難儀です。20分以上かかります。  施設 : ☆☆ 車の人は、このような目印で、たいへんに分かりやすいと思います。ただ、入ろうと思うか、一笑に付すかは分かれ道ですが。でも、けっしてみんなが言うほどB級テーストではありません。この外観は、たしかにそうですが、実態は、東京にもありそうな場末の温泉施設と似通っています。ただ、山梨でありがちなのは、個人経営なので、どうしても生活感が染み付いた空間になりやすいということですね。よく言えば、家庭的、悪く言えば場末のスナック風ともとれます。その辺は、今流行りのスーパー銭湯とは、正反対のセンスであると覚悟せねばなりません。  正面のスタイルはコレです。でも、ちゃんと温泉犬が迎えてくれます。二匹居て、一匹は、妙に老犬でした。何かこう、温かい感じのする、ハートフルな、みんなに愛されている場の雰囲気に満ちた良い施設です。期待を決して裏切らない、お薦めです。  値段 : 500円。

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モリオン(黒水晶)

モリオン(黒水晶)



  一般的に、光の透過率の悪い、見た目が黒い水晶を、モリオンと呼んでいる。どこまでが、モリオンで、どこからがスモーキークォーツ(煙水晶)なのか、その区別は定かではない。というより、それは、あくまで外観上の便宜的な区分に過ぎない。



 そもそも、水晶自体に、あれこれと名称をつけることすら無為。そのどれもが、単に水晶のバリエーションに過ぎないから。けっきょく、見た目にだけにしか、その判断基準が及んでいない場合が多い。(そういう売られ方しか出来ないからかもしれないが。)



 人間、ひとりひとりに個性があるように、水晶のひとつひとつにも自ずと個性があるはずである。だから、ひとくくりにする必要も無い。 あえていうなら、プラス要素にエネルギーが動くものがシトリン、マイナス要素にエネルギーが動くのがスモーキークォーツだと、個人的には判断している。エネルギーのINとOUTとの関係である。



 それも、個人的な感覚でしかないが、見た目で黒くて、モリオンと呼ばれようが、内面的にはシトリンの場合とスモーキークォーツの場合がある。見た目は、シトリンであっても、逆に、中味はスモーキーである場合もある。すなわち、そのもの、一個一個について、体感するほか、判断基準がない。



 物理的に検査することが可能なら、原子配列を調べ、そのなかでカラーセンターを変異させている成分を特定できるはずだ。でも、そうしたところで、どうなるというわけでもない。 マダガスカルには、非常に大きな塊で、モリオンが採掘されているという。黒い水晶は、微妙な原子配列のバランスによって、非平衡状態がゆえに、その濁った色合いを見せている。だから、ちょっとした物理的な力が掛かることで、その物理的にバランスが取れた平衡状態である=透明なスタイルへと移行してしまう傾向が強いように思える。このモリオンもまた、ところどころが透明に透けてきてしまった。 人工的に作られた黒水晶は色変わりがしにくいが、天然の黒水晶は、スモーキークォーツにせよ、透明になるケースが多いように思える。



 色変わりするモリオン、それは、貴方が本質を求めているのであって、外見に囚われ、それが黒いままであって欲しいという願いの外へ行き着くこと。 とでも言いいたげな様子であった。

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甲府市街地温泉場ラリー③

甲府市街地 温泉場ラリー その3 すみよし温泉ランド

  甲州街道沿いの密集地を行く R20=B級の法則とは。


 アクセス : さきほどの湯王温泉から、バスが通る県道沿いに、甲州街道に向って、10分ほど徒歩で、南下します。立体になっている高架に隠れるようにして、このすみよし温泉ランドがあります。外見だけは、美術館ぽい作りに見えますが、実体といえば、温泉も完備された、会社の研修施設といった雰囲気ですね。情緒が皆無です。  泉質 : ☆☆ 泡つきは、少々あります。 ツルすべの湯です。 この手の黒湯なら、東京でも良く見かけます。むしろ、新鮮なのは、浴槽に浸かった感覚よりも、カランの湯、とくにシャワーで真価が問われ、その臭いが如実に感じられます。ここもトニック臭というのでしょうか、白いオケでは、淡い緑色に見えるお湯です。 ちょっと画像上では、濃い目に映っていますが、ここのお湯は腐食質で焦げ魚のような匂いもします。濁ったリプトン紅茶色です。 



 効能 : ☆☆ 悪くは無いのだが、これといって良さは、感じられない。 これは入り口にあった別源泉の水風呂です。やはり温泉らしく、金気臭のような匂いと金魚のフンのような浮遊物がありました。黄金温泉の水風呂を薄めた感じです。



金額 : 480円 (微妙な価格設定) 滞留時間設定が1時間半となっている。サウナは、いちおうあります。



施設 : ☆ 浴室は日差しも入って明るく、開放感があるものの、サウナと浴槽がふたつだけで、もてあましてしまう。これといって、インパクトが無い。お薦め度合いとしては低い。

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甲府市街地温泉場ラリー②

甲府市街地温泉場ラリー その2

           ビジネスホテルな湯王温泉 




 アクセス : 初っ端のふじ温泉から、歩くこと3分ぐらいで、バス通りに面したところにビジネスホテルの湯王温泉はあります。  施設 : ☆☆ ここは雰囲気が、けっこうB級認定です。外観は、ビジネスホテルなんですが、フロント前が、いきなり銭湯になっていまして、ゲタ箱のコーナーとなっています。ホテル内で銭湯をやっているという感じが、とてもユニークで不思議です。 カランのスペックが古いタイプでした。雰囲気は、地元優先の、まったり、のんびり、ゆる~いかんじでした。 料金 : 350円。基本的に公衆浴場認定です。



 泉質 : ☆☆☆ 浴室のガラスを開けると、プ~ンとトニック系の油臭がします。渋川のテルメテルメで嗅げるあの種の香りの薄いタイプでしょうか?加熱された浴槽からは、かつて大田区の馬込銀座にあった馬込温泉の懐かしい匂いが記憶として蘇ってきました。この手の匂いは、東京の黒湯にも共通した要素があります。打たせ湯の左端に、小さな一人は入れるぐらいの謎の源泉槽があります。どの浴槽も、おなじような浴感です。泡つきがややあります。



 カツオ節でダシを取った後のような浮遊物がたくさん漂っています。色は、陽が当たる場所では、おーぎょーちー(愛玉子)ゼリーの色。暗い場所では、淡い緑色に見えます。  効能  : ☆☆☆☆ 浸かるだけで血行もよくなるし、気が流れる温泉です。ものすごく気が流れるので、すっきりとします。ぬるいのですが、温まります。浴後、しばらく汗が引きません。毎日入ったら、効果抜群の温泉でしょう!見た目の印象より、温泉効果はあります。  龍の口から、飲泉できますが、ちょっと重めな感じで、ほんのり塩っぱいです。ここは、湧出している湯量がけっこう多いようで、惜しみなく掛け流し状態でした。

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珠蘭花茶を飲む。

奥ゆかしくも芳しい蘭の花の香りのするお茶を飲む。



 中国茶には、たいへん、多くのバリエーションがあって、その加工の仕方によって、緑茶から紅茶まで、実に、幅広く味わいを変化させることが可能である。



 そんな膨大な種類の中国茶を、あえて、大きくふたつに分けると、茶葉そのまま加工されたお茶と、茶葉に花の香りを着けた花茶に大別されると思う。 比較的、人口に膾炙しているものには、ジャスミンの花の香りがする茉莉花茶、金木犀の花の香りがする桂花茶などがある。



 安徽省には、珠蘭花茶とよばれる、普段、聞きなれない名前の、別の花茶も存在している。珠蘭とは、中国原産のセンリョウ科の植物=チャラン(金栗蘭)を、香り付けのために入れ込んだお茶である。



 ジャスミン茶が、とてもフレッシュで、頭がクラクラするほど強い芳香だとするなら、このチャランは、比較的、穏やかながらも、甘くて素敵な匂いを放つものだといえそうである。

 この写真だと、小さくて見にくいが、コップの底の方に、亜麻の実ぐらいのツブツブしたものが、このチャランの花穂になります。近縁種には、お正月に花材として出回っているセンリョウ(千両)や、野草の二人静に近い感じになります。なかなか、しみじみと飲めば、その香りがお香のように立ち上ってきて、うっとり、ゆったりできる上品なお茶だと思います。

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マラカイト・クォーツ

マラカイト+クリソコラ ON クォーツ(アゲート)  実を言うと、石に対しての好き嫌いも、非常に多い。嫌いというより、格別、興味が湧かないといったほうが語弊が無いというべきか、そういう石は、私にとって、フローライトだったり、カルサイトだったり、あるいは、このマラカイトだったりもする。



 そんななか、このマラカイトだけは、非常に私好みに輝いていた。当初は、白っぽく見えたクォーツだったが、どちらかといえば、カルセドニーのタイプで、縞模様も部分的に持ち合わせているのでアゲートと呼ぶべきか、いずれにせよ、マラカイトやアズライト(痕跡)、クリソコラが表面にエッチング(刻入)されている珍しいタイプの石である。アリゾナ産だと思う。

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Author:momoneko0725
とうきょうの美味しい食べ物や東日本にある温泉地の紹介です。

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