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珪化木(ペトリファイドウッド)

 アメリカのアリゾナ州に、珪化木公園というのがあるそうで、約二億年ほども前の巨木の林が、一本につき、60メートルあまりの長さで横たわり、累々と化石化されて、保存されている壮大な景色だといいいます。



 珪化木のできる原理は、以外に単純なものなのかもしれません。ある林があって、そこが火山の噴火によって、積もった火山灰の下敷きになる。



 火山灰やマグマには、平均して、約60%以上ものシリカ質が含まれています。やがて、その樹幹に、その二酸化珪素分が染み込んで、石のようになってしまう。火山活動によって、埋没した木々が、そういう火山性起源によってシリカ分が植物細胞に供給されて石になってしまった木のことを珪化木と呼んでいます。



 植物体の組織や、細胞が、ある鉱物(=シリカ、カルシウム、黄鉄鉱など)に置き換わって保存されたものを、鉱化化石とよびます。鉱化化石の多くは、そのすべての組織が、鉱物に置き換わってしまったわけではなく、部分的に、もとの植物体であった炭素質をわずかに残しています。



 この炭素質を、鉱化化石から取り出して、薄片標本として観察することによって、その植物が、いつの時代に栄えたものであるのか、またどのような種類の植物かが同定されるといいます。



 珪化木を感じたときに、大地のエネルギーをまず感じるのですが、それと同時に強い生命力のようなものをいつも併せ持っていると感じます。それは、植物の生命力かもしれませんが、こうした火山のエネルギーが併せ持つダイナミックな力が投影されたものではないかとも思います。

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エクロジャイト

 エクロジャイトは、見かけ上では、緑のベースに赤い斑状の模様が見られるとても美しい岩です。思わず、岩と言ってしまったのは、もともと地表近くにあった玄武岩などの岩石が、地殻活動により、地球上の深い部分へと引き込まれ、その高温高圧によって変成作用を受け、変化したものの総称だからです。



 エクロジャイトが、他の岩に無い特徴として、一番目立つのは、その色彩の豊富さです。岩にしては、とてもカラフルで、ゴージャス。その構成鉱物は、その条件によって、いろいろと含まれる鉱物の違いに反映するようですが、このフランス産では、目立つ赤いガーネットに、青いカイアナイト、緑はオンファサイトという翡翠に近い輝石となります。



  前にも書きましたが、わたしは水晶に魅力を感じることが少ないです。むしろ、このエクロジャイトのように大胆に地層を切り取ったかのような、さまざまな鉱物が寄せ集まって息づいているような共生ものが好きです。

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ファイブロライト(シリマナイト)

地球上では、もっとも平凡な3兄弟の石たち。



 ここに並べた石達、キャストライト(=アンダリュサイトの変種)(左)、ファイブロライト(シリマナイト)(中央)、カイアナイト(右)これらの石たちが、人間だったら三つ子みたいなものだといったら、信じがたいでしょうね。



 ある鉱物で、その化学組成の成分元素が、同じであっても、それぞれ石として生成条件が違うことによって、出来上がってくる姿かたちが、全く違ったものになる、そういうようなことを=同質異像と言います。(* それぞれ地殻の条件が次のようになって違いがでるようです。アンダリュサイト=高温・低圧、シリマナイト=高温、カイアナイト=低温・高圧)



 いちばん卑近な例で言えば、炭素が変化して、鉛筆の芯=石墨(グラファイト)で使用されるか、はたまたダイアモンドでお目見えするか、そんな程度の違いになることも、この同質異像なのですね。



 冒頭で、もっとも平凡なと、あえて記載したかったのは、この石たちが、地球の内部でもっとも豊富になる元素のアルミニウム、酸素にシリカが結びついてできあがった無難な石だと感じたからです。



 同じ元素でも、シリカと同盟を結ぶことを、いわば拒否したものが、コランダム=つまり地球上でもっとも美しいルビーやサファイアのような宝石になってきます。だからこそ、宝石質の極上品は数量的に稀有な存在であり。また、この孤高な意味合い、ありふれて無難な結合の外側にある何か、に気づくと、その貴賓というか、気品なわけに納得するものがあるようですね。

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インカジェイドを語る。

インカジェイドは、いったい、どういう石なのか。



 人間には、ある決められた時間という観念が植えつけられていて、その時間ー規定にしたがって、いわば日常的な生活にいそしんでいるわけです。



 それに対して、インカジェイドが感じさせてくれる時間は、ある永い、宇宙的でゆったりとした流れのようなもので、それを体感することに至りません。



 その人間が規定している時間と、インカジェイドが内包している宇宙的な時間とにある感覚的なズレといったものを、うまく折り合いつけるというか、軌道修正してくれるのが、この石の特質~特性といったものではないかということです。



 例えるなら、我々が、時間規定ということの結果として、ある折り紙を完成させようとしているとするなら、その折り紙を、ふたたび折しろさえ、引き伸ばして、もとの白紙へと拡げ直してくれるような役割をイメージさせます。



 つまり、インカジェイドは、折りたたまれたものから、織り込まれたものから、宇宙的な流れへと折り返され、もとあった素地へと引き伸ばされる、タイム・ストレッチャーみたいなものではないかと、いま、ぼんやり、そう思うのです。

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石がみつめる地球の未来

 吉田敦さんが編集人をしている=アフリカ情報通信というサイトがある。そのなかで気に止まったのが、コンゴ民主共和国の地下資源に群がる多国籍企業というレビューと、マダガスカル、嵐のあと という記事でした。



 コンゴ内戦は、97年以来、近隣諸国6カ国を巻き込んで、政府と反政府勢力が争い、約300万人もの犠牲者を出してきました。戦渦に巻き込まれる元凶には、豊富な地下資源の埋蔵=ダイヤモンド、金、コバルト、銅、コルタンなどを巡っての、利害衝突による略奪・暴力・人権侵害のほか、その収奪による内戦資金としての還流など、事態は深刻化しています。



 フランスのルモンド紙によれば、ダイヤの世界的な販売会社であるデビアス社が、コンゴの紛争地域から不当に略奪したダイヤを販売している疑惑について、銅とコバルト鉱山採掘権利を所有している=ベルギーのジョルジュ・フォレスト社についても疑惑があり、政府と多国籍企業間の不明瞭な癒着関係によって生じる悪循環が指摘されています。



 一方、慢性的な貧困に悩む=マダガスカルでは、98年・大規模なサファイア鉱脈が発見されて、政府の規制が無いまま、現地人の危険きわまる労働条件の下で採掘が進められ、ヨーロッパ~アジアの仲買人によって不当に買い叩かれたうえ、関税を逃れ、密輸の形で国外に持ち出されている現況が語られている。



 マダガスカルで児童労働者が狭く深い穴での、サファイアの採取をしている姿を思いおこすと、何か身につまされるものがある。脱植民地化は、きわめて遅い歩みだ。植民地からの収奪なくして、ヨーロッパの近代はありえなかったはずである。それは、いまだに、違った様相に映りながらも、脈々と受け継がれているような気がする。



 資源の豊かさゆえ、収奪の対象となり、自分たちの土地を踏みにじって、紛争の火種を撒き散らす人々。現地人も、我々も、そのような傍観者であっては、ならない。



 我々を魅了するのは、そうして届けられたサファイアの紺碧の輝きかもしれないが、その過程で過酷な労働を強いられている現地人、その国の財産でありながら、利益さえ掠め取られてしまう多国籍企業の荒行に、石を前にして悩むのは私だけでしょうか?

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恵林寺・夢窓疎石の林泉庭園

 恵林寺は、禅僧:夢窓国師(=夢窓疎石)により、1582年に開山された名刹で、境内には、国師が56歳ごろの築庭による、心字池を中心とした、たいへんに見事な林泉庭園が見ることができます(一部にその当時の面影が見られるが、改装してあるらしい。)



 夢窓疎石は、いうまでもなく鎌倉時代後期から南北朝に至るあいだに、京都の西芳寺(苔寺)、天竜寺、鎌倉の瑞泉寺など、多くの禅寺と庭園の造園に深くかかわってきました。

自分にとっては、つねに夢窓国師と小堀遠州が石とそれを配した庭園について、いろいろと教えてくれる先駆者だと思い、たいへんに尊敬しております。

先頃、このような疎石について、庭園論的な観点も加味されて書かれた一般書も出ました。とても、参考になります。

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塩山・温泉の旅ー⑤

塩山温泉・宏池荘



 塩山温泉は、今から650年も前に発見されたという古い歴史を持ってる由緒ある温泉らしい。駅前から、15分ぐらい歩くと、現在は、9軒くらいの小振りの旅館が集まった温泉街を作っている。

 すべて同じ源泉を使用していると思われるので、旅館・宏池荘の隣で共同浴場を経営したので入ってみました。
温泉というより、鉱泉で手前の源泉槽には20℃くらいで、ちょっとスベスベな無色のアルカリ泉でした。

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塩山・温泉の旅ーはやぶさ温泉

笛吹川・ はやぶさ温泉



 泉質 : ☆☆☆☆ (42℃の完全・源泉掛け流し。成分表示では、特記すべき要素も無く、ぱっとしない、アルカリ性単純温泉と、うたってあるが、入ってビックリ、浸かってゆったり、出て、まったりの美肌の湯でした。 

 

 
PH9.95で、かなりツルツルな感触で、地肌の奥まで、浸透するのが実感できる。

すべて飲用可となっており、浴室入り口にある飲泉所は、かなり硫黄臭が強い。販売している温泉水は、工場でボトリングされて、脱臭工程を経ているということでした。食堂で出される水は、それですが、けっこう癖のある水で飲むと不味い味です。



 美肌の湯と書きましたが、実際は硫黄分が強いためか、敏感肌に対しては、非常に刺激的でした。体の芯まであたたまり汗が一日中止まらなくなります。温度が低いため、いまごろの季節に最適です。ぬるいのでゆっくり浸かっていますと、湯あたりします。湯タダれにも気をつけてください。けっこう成分が強いです。とにかく、見かけとちがって、スゴイお湯に違いありません。しっとり肌になります。仕上がりは、ちょっとべたべたした感じになります。)

施設 : ☆☆  (以前は旅館だったようで、玄関前の植栽、休憩室前に広がる庭園など、かなり凝った造りとなっています。湯船は、内湯と露天があります。



 内湯は、ごらんのような状態。何しろ湧出量が多く=500リットル(毎分)のため、鯉の口から源泉がドバドバと出て、右側縁から、惜しげもなく=ザバザバと流れていきます。こういうのが、本当の掛け流し湯っていうんですネ。



 玄関先には、無造作に置かれてるけれども、もぎたての桃が1個100円で販売されていて、それを食べながら休憩所で和むというのも良いですね。とにかく一日中居たい温泉でお薦めです。)



値段 : 500円 (ところで、以前、山梨の温泉は何故安いのか、地元の人に尋ねたことがあります。個人経営で良心的なところが多く、そこが安い価格設定しているから、それ以上にできないとのことでした。ごもっともです。ここは、ほんとうに山梨一の温泉ではないでしょうか!)



アクセス : ☆☆ 

(バスは、本数が少ないため=期待薄。塩山駅北口からタクシーで10分ほど。)

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ディープ・ローズ・クォーツ

  

 マダガスカルのローズ・クォーツには、桜貝のように淡く繊細な色目から、鉄分が内部に浸入しているのかと見紛うくらいに濃いピンクであったりと、実は、その色合いに大きな変化があります。



 とくに色が濃いものを、中央=ディープ・ローズと呼びますが、バリエーションとしてモーヴカラー(あずき色に近いもの)を、左=ラベンダー・クォーツとよび、より濃くて濁ったピンク色=さながら、ところてんか、もずく酢のように濁ったスモーキー・カラーになりますと、右=これがスター・スモーキー・ローズクォーツ(フレア・ミルキーの色濃い版か?)と呼ばれたりします。



 と言っても、両端があまりに特別(色)なので、中央の(正統派)が霞んでしまいがちなのですが、これはこれで十分に濃いのです。そして、どれもこれも、名前は勝手に付けられたものであって、どれも見まがうことなく、ローズ・クォーツの分身であります。



 ローズ・クォーツの色合いに、見かけ上で、これだけの変域があるということは、その役割においても、当然、幅広いレンジがあるということですね。ごくごく単純に自己愛の石とだけ、明言してしてしまうに、はばかるものがあります。



 本来のあるべきはずの自分と、そうではない今の自分とが、差し向かいにさせられる。そんな状況中に、立ち現れてくる石たちのような気がします。



スター・スモーキー・ローズ: 石を握った感じは、まったくジラソルのように初めのうちは暴れます。そのうち静かになりますが、チューニングに時間がかかります。この石を見た時、泥水の水溜りを印象させました。泥水というのは、客観的というよりは、きわめて主観的な見方にすぎません。自分の置かれた状況によって、飲めるか、飲めないか、その判断によって、それが泥水であっても、謂れがなくなります。そういう根源的な状況に触れた石かもしれないですね。

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豆本

豆本の世界に見る内田百閒



 本を蒐集する趣味には、さまざまなジャンルというか、パターンがあると思います。それが美術書であったり、絵本であったり、ある特定の作家であったりもするわけですが。



 わたしは、内田百閒をキーワードにして、その著作本はもとより、ほぼ横断的に、特集雑誌や、朗読テープ、文庫本、全集などを、少しづつこまめに集めています。



 そのなかで、ひとつ異色ともいえるのが、この豆本ではないでしょうか。ある特定の古書店でしか、普段は目にすることの無いサイズ=文庫本より、ひとまわり小さくしたサイズのシリーズ本で、ほぼ手作りというか、自主流通するくらいの発行部数の一連の本を指します。



 世界的に豆本の歴史は古く、読めないくらいの活字になってしまうほど小さな本などが、時に存在しており、本というモノとしての形態が持つ独自の魅力が、あるいはここに込められているのかもしれません。



 読むこと=つまり内容を理解し、その情報を流通させるために消費財としての書物もあるのですが、このように書物としての体裁によって、その鑑賞価値というか、愛蔵本としての意味合いを大きく付加されたものが、豆本の姿であるといっていいでしょう。

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プロフィール

momoneko0725

Author:momoneko0725
とうきょうの美味しい食べ物や東日本にある温泉地の紹介です。

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