下高井戸 すしやのまつり
下高井戸 すしやのまつり

特選にぎり(10貫) :
子持ちシャコ(かつぶし)、青柳(殻ヤギ)、赤貝、殻とり貝、アジ、雲丹、活き車海老、赤身、大トロ、平目(縁側のちかく)、玉子。
子供の頃から食わず嫌いではあったものの、魚はほぼほぼ食べられなかった。あの磯臭さがたまらなく不快であったためだ。大人になって、いろいろなものを食す機会も増え、しだいに魚の旨さに気が付くようになった。だから寿司屋デビューは遅い。カウンターの寿司屋ともなれば、大人のルールとやらを心得なければならない。知識や経験値が増えるごとに度胸だけが年齢に追い付いてきた。
寿司とは本来、自分が好きなものを好きなだけつまんでよい、そういう食文化である。しかし鮮魚を扱う以上、時価が幅を利かす商売。商売上、向こうにとって有利なものは、ときに定番ランチであったり、お決まり、おまかせ、あるいは、お好み、どのケースも存在する。見極められない場合、向こうの様子を伺うべく、ひととおりなんぞ所望する。
自分の腹ごなしと財布の具合を鑑みながら、好きなもの、旬なもので埋めていく、それが良いと思う。この時季、養殖とはいえ車海老の活性がよく旬となるのでボイルも好いが活きでいく。あとは、この時季だけの殻とり貝(活きはトリ貝)、蝦蛄はこの時期は子持ち。

特選にぎり(10貫) :
子持ちシャコ(かつぶし)、青柳(殻ヤギ)、赤貝、殻とり貝、アジ、雲丹、活き車海老、赤身、大トロ、平目(縁側のちかく)、玉子。
子供の頃から食わず嫌いではあったものの、魚はほぼほぼ食べられなかった。あの磯臭さがたまらなく不快であったためだ。大人になって、いろいろなものを食す機会も増え、しだいに魚の旨さに気が付くようになった。だから寿司屋デビューは遅い。カウンターの寿司屋ともなれば、大人のルールとやらを心得なければならない。知識や経験値が増えるごとに度胸だけが年齢に追い付いてきた。
寿司とは本来、自分が好きなものを好きなだけつまんでよい、そういう食文化である。しかし鮮魚を扱う以上、時価が幅を利かす商売。商売上、向こうにとって有利なものは、ときに定番ランチであったり、お決まり、おまかせ、あるいは、お好み、どのケースも存在する。見極められない場合、向こうの様子を伺うべく、ひととおりなんぞ所望する。
自分の腹ごなしと財布の具合を鑑みながら、好きなもの、旬なもので埋めていく、それが良いと思う。この時季、養殖とはいえ車海老の活性がよく旬となるのでボイルも好いが活きでいく。あとは、この時季だけの殻とり貝(活きはトリ貝)、蝦蛄はこの時期は子持ち。

桜上水 向陽商店会 寿し処 松楽
桜上水 向陽商店会 寿し処 松楽
鳥取 元祖 かに寿し
鳥取 元祖 かに寿し(アベ鳥取堂)

鳥取 元祖 かに寿し : アベ鳥取堂
令和の世になって、巷にはデカ盛りだとか、SNS映えと称した、奇をてらっただけで、シロウト受けするグルメがもてはやされる時代となった。昭和テイストは遠く遥かになりにけりである。シンプルイズベスト。定番もまた、思いついたアイデアをカタチにすることで幾年月を経て愛されるピースとなる。
山陰を代表する冬の味覚、カニ身をふんだんに使った駅弁を戦後まもなく、はじめて送り出したのが、こちらアベ鳥取堂さん。荷姿はカニの甲羅に似せて八角形の折箱である。酢飯に錦糸玉子と甘酢生姜、蟹のほぐし身、カニ身を敷き詰めただけの、それ故に蟹の味わいが一層に引き立つ、美味しさの絶対定番となった。


鳥取 元祖 かに寿し : アベ鳥取堂
令和の世になって、巷にはデカ盛りだとか、SNS映えと称した、奇をてらっただけで、シロウト受けするグルメがもてはやされる時代となった。昭和テイストは遠く遥かになりにけりである。シンプルイズベスト。定番もまた、思いついたアイデアをカタチにすることで幾年月を経て愛されるピースとなる。
山陰を代表する冬の味覚、カニ身をふんだんに使った駅弁を戦後まもなく、はじめて送り出したのが、こちらアベ鳥取堂さん。荷姿はカニの甲羅に似せて八角形の折箱である。酢飯に錦糸玉子と甘酢生姜、蟹のほぐし身、カニ身を敷き詰めただけの、それ故に蟹の味わいが一層に引き立つ、美味しさの絶対定番となった。

千歳烏山 鰻割烹 あら井
小田原名物 東華軒 駅弁 鯛めし
小田原名物 東華軒 駅弁 鯛めし

創業明治21年だという、老舗の弁当や、小田原・東華軒、駅弁の定番といえば、鯛めし&小鯵押寿司。最近はキンメダイ人気にあやかって、それ風なラインナップが伸しているようですが、ここはひとつ、鯛めしを味わってみました。
鯛めし : ふたを開けてビックリ!なんとまぁ、おぼろがびっしりと白い雪の華のごとくに敷き詰められている、それだけ?という、いささかガッカリなルックス。いやいや私のごとき、根っからの、おぼろ好きにとっては琴線に触れる、夢のような玉手箱です。おぼろといえば芝エビから手間暇かけて作る、江戸前寿司の隠れた脇役にしてバイプレーヤーのなかでも抜きんでた存在ですが、こちらは魚のおぼろ。
ふつうに流通している桜でんぶ、あるいはタラのすり身から作ったものとも違って、素材は沖サワラ、クロカジキ、アブラガレイが主体で、申し訳程度に真鯛が使われていますが、独特な味わいで噛みしめるほどにじんわりと来る旨みと甘味が重なり合って、とっても美味しい。たぶん、この終始付きまとう甘さに辟易する方も多いでしょうが、甘いご飯好きにはタマラナイ一品です。
メインはあくまでも、どこまでいっても飽きるほどに甘い味付けの、そぼろの海、なのですが、本体を支える茶飯の旨さ、小粒の白米がまた美味しい。副菜は、控えめで、小田原をさりげなくも主張し、小梅漬け、蒲鉾、ちくわ、あさり佃煮、ゆず大根です。




創業明治21年だという、老舗の弁当や、小田原・東華軒、駅弁の定番といえば、鯛めし&小鯵押寿司。最近はキンメダイ人気にあやかって、それ風なラインナップが伸しているようですが、ここはひとつ、鯛めしを味わってみました。
鯛めし : ふたを開けてビックリ!なんとまぁ、おぼろがびっしりと白い雪の華のごとくに敷き詰められている、それだけ?という、いささかガッカリなルックス。いやいや私のごとき、根っからの、おぼろ好きにとっては琴線に触れる、夢のような玉手箱です。おぼろといえば芝エビから手間暇かけて作る、江戸前寿司の隠れた脇役にしてバイプレーヤーのなかでも抜きんでた存在ですが、こちらは魚のおぼろ。
ふつうに流通している桜でんぶ、あるいはタラのすり身から作ったものとも違って、素材は沖サワラ、クロカジキ、アブラガレイが主体で、申し訳程度に真鯛が使われていますが、独特な味わいで噛みしめるほどにじんわりと来る旨みと甘味が重なり合って、とっても美味しい。たぶん、この終始付きまとう甘さに辟易する方も多いでしょうが、甘いご飯好きにはタマラナイ一品です。
メインはあくまでも、どこまでいっても飽きるほどに甘い味付けの、そぼろの海、なのですが、本体を支える茶飯の旨さ、小粒の白米がまた美味しい。副菜は、控えめで、小田原をさりげなくも主張し、小梅漬け、蒲鉾、ちくわ、あさり佃煮、ゆず大根です。



桜上水 向陽商店会 寿し処 松楽
桜上水 向陽商店会 寿し処 松楽
桜上水 向陽商店会 寿し処 松楽

8月ともなれば、市場は、待ってましたとばかり、新子の話題で持ちきりとなりましょう。夏の終わりを告げるのが小肌の子ども=新子ならば、同じように初秋を告げるのは、墨烏賊の新子=新イカの登場です。アオリイカなどは大ぶりのものが歯ごたえもあって、いかにも王者という感じですが、小さなスミイカの子どもだけが江戸前寿司で珍重されるのは面白い。
丸付けされた新イカ握り : 小肌の新子も前作業が大変でしょうが、こちらの子イカもチビッ子であるがゆえに仕込みはめんどくさそうです。それでも新イカを楽しみにしているファンは多かろうことは想像できます。こちらは2杯丸付け。その食感は独特で、やわらかくもあり、サクッとしています。墨烏賊の新子を味わうのは旬を追いかける江戸っ子冥利にとって粋な愉しみなのです。


8月ともなれば、市場は、待ってましたとばかり、新子の話題で持ちきりとなりましょう。夏の終わりを告げるのが小肌の子ども=新子ならば、同じように初秋を告げるのは、墨烏賊の新子=新イカの登場です。アオリイカなどは大ぶりのものが歯ごたえもあって、いかにも王者という感じですが、小さなスミイカの子どもだけが江戸前寿司で珍重されるのは面白い。
丸付けされた新イカ握り : 小肌の新子も前作業が大変でしょうが、こちらの子イカもチビッ子であるがゆえに仕込みはめんどくさそうです。それでも新イカを楽しみにしているファンは多かろうことは想像できます。こちらは2杯丸付け。その食感は独特で、やわらかくもあり、サクッとしています。墨烏賊の新子を味わうのは旬を追いかける江戸っ子冥利にとって粋な愉しみなのです。

